MX系のアニメは売上的にどうなのだろうか

俺は見てないのだが1/6からポプテピピックが放送開始された。
twitterではトレンドで60万件ほどRTなどされていたようだ。

ポプテピピックは糞アニメと言われているが、糞なら売上でないのでは?と思うのだが実際どうなのだろうか。

地上波局は、MX、栃木TV、中国放送の3局のみ。
衛星放送は、BS11毎日新聞系)、AT-X(CS・テレビ東京系)で、合計5局。
一方ネット配信は18社と非常に多い。

初回放送のA・Bパートが声優違いの同ストーリーという特異さはあるものの30分の製作費1000万円が
変わらないとすれば、1クール13話として1.3億円以上の予算を集められたということになる。
がスポンサー(キングレコードなど)はそれで終わってしまっては困るわけだが。

地上波はCM広告収入、衛星放送は加入者視聴料でペイできる。
ネット配信はどういう収益方法なのだろうか。
というかどうやって1.3億円を搔き集められたのかが気になる。

キングレコードサウンドトラックなど楽曲販売で収益を上げられると考えているのだろうが、
まさかキングレコード1社だけで1.3億払っているとも思えないし、サントラやDVDで1.3億の利益を
あげられるとも思えない。

ふと思ったのは、ネット配信は配信会社から1話数十万~数百万円の配信料で売ってるのでは?ということ。
当然作品なので著作権、版権という権利が発生するからタダで配信を許可しているわけでないことは
誰でもわかることだが、例えば1社1話あたり50万円の配信料だったとしたら、x18社=900万円
かけることの13話で1.17億円の売上が見込まれる。
再配信やオンデマンド配信の権利も売れれば、+2~3000万円の売上が期待できるのではないだろうか。

サザエさんちびまる子ちゃんのような無世代なアニメを除くと、ワンピースでさえ今は視聴率5%
ビデオリサーチが公表している1%=40万人を用いれば、ワンピースは視聴者数200万人となる。
(但しビデオリサーチ社は人数に置き換えて表現するのは適切でないとしている)
それでも1話当たりの製作費1000万円で同じなら、残す問題はステークホルダーの利益額だけということになる。


俺が色々見てて感じているのは、ステークホルダーは最低利益(1プロダクトあたり)は2000万円を
ボーダーラインにしているように感じている。(勿論規模により変動するが)
ワンピースは放送時間帯を変更しているものの未だに続いていることを思うと、このボーダーラインを
割り込んでないからだろう。
ポプテピピックの場合、このボーダーを死守できるのかというと正直相当厳しいと思う。
世間やtwitterなどSNSの話題にはなるだろうが、行けてそこまでって印象。
じゃあどこに損益分岐点、費用対効果を持ってみているのか、ってことになる。

2006年ごろから1クール制が用いられ始めている。そしてシーズン制となり、1シーズン目が好調なら
2シーズン目以降が延長される。(2シーズン目が予め決まっている場合もある)

12~13話のタームで回れば良いのであれば、製作費1.3億円を回収できればよく、
プラスステークホルダーの利益は版権譲渡するので実働は各社で頑張ってくれと言えるなら
1プロダクト(1シーズン)あたりの利益は数百万円あれば良い、って話になるのではないだろうか。

いままでの1シーズン制は年制で動いていた時のものを受け継いでいたが、シーズン制であることを
良い意味でハックしたのが、けものフレンズポプテピピックなどではないか?と感じている。


そもそも1クール/シーズン制に移行したのは、45~53話の1年制のリスクヘッジを考えたとき
アメリカのシーズン制を真似て1クール制をつくったのが元ではないかと思っている。
ただ1クール制に移行したことでバラエティさは増え、リスクヘッジもなされたものの、話数を減らして
工数や製作費の削減にはなったものの、1クール制が持つはずのメリットを十分生かし切れてなかった
のが今までだったのではないかと思う。

ポプテピピックはカテゴリはギャグ作品で極めてニッチなコンテンツ。
年制のときでは絶対企画が通らなかったが、1クール制だからこそ通せた作品ではないかと思う。
けものフレンズもクール制がゆえにうまく行けた作品ではないだろうか。


クール制にメリット、デメリットは当然ある。
今後はクール制と年制、ハーフ年制が混じった編成になっていくことを個人的に期待したい。
ちなみにアメリカのシーズン制は、1シーズン25話前後。日本だと2クール分に相当する。
25話続けばストーリーのボリューム感が増すので良いと思う。現行の1クール制も併用しながら
それなりに期待できるタイトルはアメリカ式シーズン制を取り入れ始まるといいのにと思う。