販売売上げ額キャップを設けるべき

売上げ額キャップとは・・・
Electric Artsの「unreal engine」などのように販売売上げ額が500万円以内なら
ライセンス料は取らないというやり方だ。


確かに紹介記事の通り法律を厳密に運用するとなると、例え1個だろうが100万個
だろうが、10円だろうが10億円だろうが、使う以上は「許可/承認申請」と使用に
対する「使用料、ライセンス料」が必要だ。


--じゃあそれは現実的な行為なのか?

・事務量に対する見返り
例えばコミケで作られる2次創作の山。それら1つ1つに事務手続きをやってたら
キリがない。当然、楽曲でいうところの原盤権を持つ出版社の事務量はハンパなく
増える。人気作品なら通常事務に支障が出る可能性もある。

・窓口が整備されてない場合もある
日本は親告制なので営業妨害になるような行為でなければ出版社や原作者などから
訴えられることはない。
実際、出版社側は相手が会社、企業以外に対しては取り引きを拒んでる場合もある。
拒んでる出版社らに対してどうやって許可を取れるものか。

・申請方法がいまだに紙ベース
これだけインターネットが普及しているのに、出版社・音楽出版社など権利モノを
扱っている企業ウェブサイトには利用申請のフォームページがない。
本人確認ができないからと言うのだろうが、申請用のPDFすら上がってない。
「はあ?」
である。そんなに厳密運用がしたいのなら、PDFくら上げろと言いたい。


・今回は10億回という莫大な再生量に企業が目を付けたのでは?

JASRACの場合、
ストリーミングで広告収入がある場合、収入の3.5%が著作権料としている。
1ヶ月100万円の収入があったとしても3万5千円だ。
広告収入で100万円は相当アフィリエイトを踏んで、広告主の商品を買って
もらわないと手に入らない額だ。

1曲あたり1500万円という額はどういう算定でそうしたのかわからないが、
基本料に未払い期間に対する延滞料を追加しているものと思われる。

・使用許可の書面の交換が行われていたか
・予告や督促状を企業は出していたか
・10億回というがそこからどれだけの売上げを出していたか
などが気になる点だ。10億回といっても広告収入はYoutubeのような
サイト運営側が得ているだけで本人には一切入ってない場合もある。
延滞料を追加しているといっても年利15%としたら取り過ぎな感じがする。

企業側は見せしめ効果を狙っていると思われる。
どうせ裁判で減額されることは目に見えているからということだ。だから
インパクトのある金額を出しておけばいいだろうということではないか。


じゃあ同じことが日本でも起こり得るのかってことだが、無いとは言い
切れない。SMEavexらが訴えてくる可能性はないとはいえない。
が、幸いにして黙認してくれてる状況だ。
それを吸収しているのはドワンゴGoogleが代行してJASRACに支払ってる
からだ。当然その料金は有料会員の会員料から支払われているのだが。


10億回も再生しているようなコンテンツはそうそうない。
100万回再生だってよほど話題作にならない限り無い。
実際に自分で作った作品をアップしてみれば1000回再生ですら相当
難しいことがわかるはずだ。

イギリスの企業は、相手が1000回しか再生されてなかったら訴えてた
だろうか?答えはNOだ。だって今回訴えた相手の再生1000回目を越え
たときには訴えてなかったからだ。

無断利用を取り締まるためでもあるが要はお金になりそうだ、という時
が訴え時だと考えているともいえる。



紹介記事にあるように厳密運用すれば例え売上げが無くとも利用申請は
すべきだろう。
しかしそれは現実的な話ではないし、利用者が気軽に申請できるシステムや
個人が申請問合せできる窓口もない。
また料金システムが複雑で、素人にはわかり辛い。
更に、JASRACらは著作権に関するTV番組、ネット番組を増やすべきだ。
エバンジェリストのような立場の部門や担当を決めて、普及活動をすべき。

その上で、売上げに対する緩和策を入れて、こういった問題が起こり
にくくするようにすべき。


最低限のこれらをやってもないのに申請しろ、金払え!は通用しないよ。




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