お笑いはインパクトが命なのだろうか

「最近若者のテレビ離れって言われるけど、逆に作り手側もテレビ離れの意識が目覚め出すよね。今、テレビでバラエティーをやるのは本当に大変。
攻めた企画はほぼできなくて、やったらやったで、お金も時間もかかるし体力もいるし、コアなファンは面白ろかったって言ってくれるんだけど、そういう時って大抵視聴率も悪い。クレームのリスクも高い。
これだけの条件の中でバラエティーをとんがった物作り出すってほぼ不可能に近い」
松本人志氏が語ったと報じられている。

俺が心底好きなお笑い芸人の1人、1ペアは、いとしこいしだ。
彼等二人は別に強烈なインパクトがあるわけではない。これは兄弟、姉妹で芸人をやっている人たち
にも言えるところがあるのだが、いわば舞台上で兄弟喧嘩しているだけである。
でも彼らはそれでギャラを得て、サラリーマン以上の生活をしている。

俺の印象を言えば松本人志はずっとインパクト命でやってきている人だ。
だから1000万円賭けたり、なにか爆発させたり、全裸になってみたりというのが
お笑いだと思っているのなら、それは大きな間違いだと言いたい。

俺は常々、客に合わせるのではなく、良いコンテンツに共感を得る客を育てるのは演者側(提供者側)
にあると考えている。
客がインパクトのあるコンテンツにしか飛びついてくれないのは、そういう客を作っている演者側に
問題があると考える。

確かに時間はかかるが、演者側が客の嗜好、舌を肥やさないと、ただインパクトだけを追っていては
当然 製作費は10億100億と上がっていくしかない。そのうち地球を爆発させるしかなくなる。
それでいいとは俺は思わない。

しかしTV局など既存メディア会社は視聴者を育てるような番組を作ろうとはしない。
3カ月に一度の改変期に自分の評価が付くような番組つくりしかせず、またそれを承認する上役も
3カ月で成果を出せるコンテンツしかハンコを押さない。


元SMAP3人の番組で話題になったAbemaTVことサイバーエージェント
でもやっていることは昔TVでやってた番組を、1社提供でやっただけに過ぎない。
ということは時間が経てば費用対効果、短期成果にしかスポットライトを浴びせない
企業思考からすれば、数年でこういった体制が崩れるのは目に見えている。

ニコニコ動画ことドワンゴ、角川についても同じことが言える。
担当部門に任せていたのはしょうがないと思うが、じゃあ良コンテンツをどう良い方向に
導くべきか、良コンテンツとはなになのか?について意識が合っていなかったことを
内外に露呈した。
関係者が和解したと報じてから2か月以上経った今も、2期を決めたコンテンツはいまだに
この先のスケジュールを発表できていない。


ゲームの世界もそうだが、金さえかければ客がついてくるという方程式はどこかで崩すべきだ。
金をかけるなと言っている訳でも、給料を上げてくれと言っているわけでもない。
いまを見ると安直に金をかけているようにしか見えてない、それが一番いやなのだ。



https://news.walkerplus.com/article/126892/