いわゆる3D映画は本当に3Dが必要なのか?

先日映画オデッセイを3DIMAXで見てきた。
感想は先日書いたとおりなのだが、ここでは3Dって本当に必要?ってことを愚痴りたい。

オデッセイに関して言えば「3Dでなくてもいいんじゃね?」と思った。
理由は立体感を効果的に感じさせる画面作りをしていなかったからだ。

というか3D上映の作品を数多く見ているわけではないが、本当に3Dを効果的に使っている
そういう絵作りをしている作品を見かけたことがない。
3Dは光の偏向性を利用して擬似的に立体として見せる技術で3Dの状態でフルカラーで
表現できるのは今の所この方法しかない。
そもそも3D版のメリットは作品に対する、更に言えば作品中のステージ(舞台、背景)に対する
没入感を高めるためのもののはず、だと俺は思っている。
オデッセイで言えば冒頭のシーンと後半に出てくるパーティクル(塵)が舞うシーンはやや効果的ではあったものの作品全体として本当に3Dである必要あったの?と思ってしまった。

観客にとって没入感を高めるのはストーリーでありカメラワークである。それを補うのが3Dの役目。
3Dを効果的に使うには遠近感や接近感を演出するカメラワークがあってこそだ。
2Dの場合観客はどうやって遠近感を補っているのか?といえばそれは観客の脳内変換で補っている。だから3D化して遠近感を補う必要は本来は必要ない。

言われずとも観客は自ずと遠近感を補完しているのならどう3Dを使うか?ってことに話題が移る。
そこで個人的に思うのは同じ作品でも2Dと3Dで画面の構図を変えるべきだ。ということだ。

2Dの遠近感は観客が脳内変換していると言った。それに嘘はないんだが、何を基にして変換しているかというと建物の傾きと人物の立ち位置を用いているからだ。
しかし3Dは画そのものに遠近感があるので2Dと同じ構図、つまり建物の傾きと人物の配置では3Dを効果的に活かすことができない。だから2Dと3Dで画面の構図を変える必要がある。
3Dの場合は人が遮るシーンがあれば観客が遮ったと思える構図にしたほうがいいし、花壇のシーンなら少し引きの画面より寄った画面のほうが3Dを活かせられる。

またインドアなシーンよりも引きの画面や見通しのいい街中のシーンのほうが3Dを効果的に表現できる。だからインドアシーンは3Dには向いてないからインドアシーンの多い邦画は向いてない。
更に言えば3Dを意識すれば2Dと3Dは全く別物映画を作る必要があるとも言える。

俺は3Dがヒットしない理由に2Dを気にしながら同じ構図のもので2Dと3D両方作っている
今のあり方が原因だと考える。
3Dにインドアシーンを入れるなとは言わないが少なくとも3Dの特性を潰していることは確かだ。
その辺こだわって作ってる作品を見たことがないので言っているがもしあるなら教えて欲しい。


んで3Dの行き着くところはVRだろう。
観客が登場人物のドラマを好きな角度から観れるという形になるべきだ。
主人公の男性視点で見てもいいし、恋人の女性視点で見てもいい。そうなるとさらに没入感が増す。
映画制作スタッフの労力は3倍5倍にも跳ね上がるだろうが、ここで言っているのは3D映画を
より効果的に3Dを表現できるか?だから、3Dの魅力を高めるにはこうするしかない。


今の3Dって建物や飛んでる飛行機を立体的に見せることで精一杯な感じがする。
そうではなくて誰の視点で、その時に何に注目していてとか。登場人物の感情と絡めて3Dを
表現している作品がない。少なくとも俺は知らない。
再三言ってしまうが3Dには3Dに必要な画面構図が必要だってこと。これ重要。
だから2Dと3Dは別個に作る必要があるよねって話をしたかった。