著作権庁を作るしかない。

今年、平成27年4月から「音商標権」が特許庁に新設された。
しかしこれは音楽を著作権ではなく「商標権」として管理するものだから
特許庁に登録(有償)しないと権利を発効できない。

一方著作権は商標権ではなく作者が製作物を完成とした日で自動的に発効する
ものだという点(1886年ベルヌ条約、日本は1899年に署名)
前者は登録料や審査料が何万円も取られるが、後者はゼロ円で済む。
この違いは大きい。


まあこの放送を見れば、1000年経っても結論出ないなと誰でも感じたと思う。
JASRACがどうして音楽の著作権管理をやろうと思ったのか。民間企業だから
利益を追求しないといけない立場にありながらだ。と同時に、どうして
工業的なものに関しては管理をしようとしてるのにエンターテイメント物を
管理をしようとしない国、官庁。
日本のコンテンツは大事ですよ、クールジャパンを目指します!と言ってお
きながら権利物の管理に一切手を出そうとはしない。この矛盾がある限り
オーファンコンテンツ(権利者不明物)どころか、権利問題が解決すること
は絶対にない。


だからこそ現内閣でもなくてもいいが、特許庁の中か独立した形で著作権
を創設して、JASRACを吸収した上で著作権庁がエンターテイメント系コンテンツ
の管理、運営を行うべきだ。

しかしそれだとベルヌ条約に反する部分が出る。つまり省庁をつくることは
登録料など費用を権利者に求めることになるから、誰もがコンテンツを作ったら
その場から権利が生まれるというベルヌ条約に違反することになるからだ。
ベルヌ条約違反にならない為には
著作権法の大型(抜本)改正
著作権物の申請型運用
③未登録者の著作物は原則他者の利用禁止
④事業所に所属するクリエイターと、事業所に属さないクリエイターで
 権利権限や申請方法などを分ける。
クリエイティブコモンズの採用、適用
などが考えられる。

一番必要なのは著作権法の抜本改革、改正である。
これがなければ話は1歩も進まない。

著作権物の申請型運用については、もう今やインターネットは全国民が
使ってるインフラなので、例えばブログ内にXMLSOAP形式データを埋め込んで
おけばGoogleの検索サーバーのようにクローラーが回って、自動的にDBに
登録される仕組みを作ってもらえればわざわざ権利者が登録する必要はない。

③は3つ目に大事な事で、それだけ簡便化しても面倒だ、嫌だって人は
居ないとは限らない。そこで申請してない人のコンテンツは使用禁止物とする
しかないと思う。Googleの検索にひっかからないように出来るシステムと同じ。
(だったら作品を発表するな!自分のPC内に置いとけって俺は思うけどさw)

④は事業所つまり芸能事務所やレコード会社に登録しているプロの方と、
個人でニコ動やコミケや市内のライブハウスで活動しているレベルの方とかは
区別して管理しないといけないねってこと。

⑤はもっともっと有名になっていいと思っているんだが、クリエイティブ
コモンズという権利主張の方法を正式採用することも大事だ。



ニコ生の放送でJASRACの菅原氏が苦み顔で「オーファンはやりたくない」と
言っているのは儲けにならないからであって、儲けになるなら既にやっている
と思う。物理的なサーバシステムや人脈、業界内の信用があるんだからヤレよ
という川上氏らが話していたが、だったらお前らがやれよ!っていうのが
菅原氏の本心だと俺は思う。

JASRACはもっと政治家や文化庁などにもっと国がやるべきだと強く訴えるべき
だし、権利者団体も国に訴えかけるべきだ。


便利なツールがあれば権利料を払う人が増えるのは確かだろうが、その前に
年に1度でも2度でも小学校から著作権についての授業を含めるべきだし、
3カ月に1度は著作権についてのTV番組、ネット番組を行うべき。
それでゆるやかながらも国民全体に知識が備われば相乗効果で違反して利用
する人は激減していくと思うよ。
これは飼い猫を自分の都合で放してしまって野良猫化させ、野良猫がネズミ算
的に増えて糞害などを起しているのと同じだと思うんだよね。
避妊は人間のエゴだと正論いう人がいるが今抱えている問題はそれ以前の話で
まず避妊されてない猫にして不幸な猫を増やさないことが重要だということを
口酸っぱくなっても言い続けることが重要なんだよ。


余談だが、ゲームだと一番有名なのはスーパーロボット大戦の声優さんの話は
有名だろう。ダンバインではガラリア役の西城美希さんが引退されていたため
に代役で当てたことや、同作トッド役の逢坂秀実も引退されていてバンダイ
興信所などを使って探しまくってやっと見つかったという話もある。
なので本当に権利者を探すのは下手しなくとも数百万~数千万円かかる大仕事
になることはこれを見ただけでも分かると思う。



話がそれてしまったが、オーファンコンテンツに関しては法律でトップダウン
でやるしかなくて、それには
・使用不可にする
・元々所属していた事務所を権利者代行に任命する
・一定条件が揃えば本人不在でも国や省庁が許可証を出せるようにする
 (一番いいのは裁判所が、使用許可証を発行するのがいい)
この3つしかないと思うんだよね。


あとさ管理が簡便化されて利用しやすくなったからといって、ドワンゴのような
企業はちゃんと納付するだろうけど、中小零細や個人事業主がちゃんと支払い
に応じるか?というのは別の話だからね。
大企業だけが払ってる状態になるなら今と状況かわんないわけだからw
(この話は川上氏も言ってたけどさ)
そうならないように、著作権法を抜本改正するときに罰金や懲役刑をつけた
罰則をつける法律改正をしないと意味が無いよね。


これは50年100年はかかると思うよ。
まず国が著作権やエンターテイメントコンテンツをどうにかしないといけない!
って本気、本腰だしてもらうことからかなw





登壇者
-第1部- ※以下、敬称略
特別講演
・玉井克哉(東京大学先端科学技術研究センター教授)
・梶原 均(NHK知財センター専任局長)

-第2部-
パネルディスカッション
「それは『越えられない壁』なのか?
~コンテンツ市場の活性化と権利者不明作品~」
■コーディネーター
関口和一(日本経済新聞社編集委員
■パネリスト
・梶原 均(NHK知財センター専任局長)
川上量生カドカワ株式会社代表取締役社長/株式会社ドワンゴ代表取締役会長)
・岸 博幸(慶應義塾大学大学院教授)
三田誠広(小説家/日本文藝家協会副理事長)
・菅原瑞夫(一般社団法人日本音楽著作権協会理事長)

JASRACシンポジウム「それは『越えられない壁』なのか?~コンテンツ市場の活性化と権利者不明作品~」 - 2015/12/09 14:00
開始 - ニコニコ生放送
<http://live.nicovideo.jp/watch/lv242619235>


公衆送信権と違法アップロード - これだけ知っとけ著作権講座
<http://chosakuken-kouza.com/kihon/koushuusoushinken.html>

新しいタイプの商標の保護制度について | 経済産業省 特許庁
<https://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/new_shouhyou.htm>


正露丸のラッパの音楽の商標権と著作権について
<http://blogos.com/article/109685/>