ゲーム業界がルールを明示すべき

弁護士ドットコムの記事ではさらっとしか触れてないが、様々な問題・課題がある。

1.まずゲーム業界が自身の立場を明示していないことがゲーム実況の放送や投稿を有耶無耶にしている。
最近はセガなど一部のゲームメーカーがゲームタイトル毎に注意喚起しているが積極的に周知とは感じない。

2.「Justin.tv」、「ニコニコ動画/生放送」は事業として行っているのに著作権使用料などの取引きを行っている様子が無い。
放送事業を行っているニワンゴ/ドワンゴらからすれば放送はユーザが行っているから自分たちは関係ないという主張で権料はユーザに請求しろと言うのだろうが、しかしサイト内カテゴリにはしっかり「ゲーム」というものがある。もし裁判がおこればここは争点になると思う。

3.実は更にややこしくする事態がる。それは新世代ゲーム機(PS4、XBOXONE)はゲーム実況放送や投稿を促す機能が組み込まれていることだ。

4.その他、じゃあ仮に個人がゲームを使って作品投稿、放送を金を払ってでもしたいとなった場合、その窓口がない。仮に個人がゲームメーカーや開発会社に問い合わせしても門前払いされる可能性のほうが高い。


ゲームと一言で言うが、実は複雑に入り組んだ権利がある。映像、キャラクター、音楽などである。

また弁護士ドットコム記事では黙認しているのは「宣伝効果がある」と言っているがこれには少々疑問だ。
・10年20年前のゲームには何の宣伝効果も出ない
・最新ゲームの場合はネタばれになり逆効果しかない
・購買欲を掻き立たせる放送は皆無
せいぜいゲームタイトルを広める程度で、ゲーム会社の稼ぎに結びつくものはかなり低いと思う。

営業の観点からいえば個人がゲームプレイ実況を放送したり作品として投稿されることは、ゲーム会社からすればメリットよりもデメリットのほうが大きいと思う。
なのに黙認せざるを得ないのはゲーム業界がインターネットで起こりうるネガティブコミュニティ発生やマーケットの萎縮化を気にしてのことだと思う。

ではなぜ黙認できるのか?だ。考えられる理由はいくつかある。
・ゲーム作品内のコンテンツは、ほとんどゲーム会社が作っている。
つまり他社との権利問題に発展しにくく、自社が黙れば係争になりにくいことがある。
・実質、ゲーム実況放送を全部通して見ている人は少なく、またゲーム全編を放送している人は極まれ。
投稿もゲームの一部しか使われていない。
といったことが考えられる。
特に前者は黙っておける最大の理由だと俺は思う。もしハリウッド映画会社や音楽会社が関わっていると問題になりやすく、こんなに黙っているとは考えられない。

明示化しないのは、暗に「我慢してやってんだぞ!」を主張したいがためだと思う。

ちなみに本文中で触れられていた3件(『NEO・GEO』、『ときめきメモリアル』、『DEAD OR ALIVE』 )の判例は、商標の一部の無断使用、ゲームデータ改変データ頒布、ゲームデータ改変であり<<ゲーム実況放送>>とは全く関係ない。ゲーム実況の放送や投稿の話なのにどうして取り上げたのか疑問。


権利問題は重要。でもゲーム会社や業界が一気に規制し始め、萎縮して欲しくはない。


動画サイトで人気の「ゲーム実況」 法律的に気をつけるべき点は? (弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース
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