手紙は一晩寝かせろ。

という言葉がある。正しくは冒頭に"怒った手紙は"であるが。


先日ある知人女性から「お嫁さんにして」と言うことを久しぶりに言われた。
知人と言ってもネットの向こうの人なので表情や状況は分からない。当然相手
が本当に女性かどうか確かめようがない。


この言葉が俺には喧嘩言葉のように感じた。

喧嘩言葉というのは感情を何のフィルターも介さずに出す言葉だ。結婚してく
れも同じで、良い意味では素直な気持ちだと言えるが、感情をさらけ出すだけ
の醜態とも言えるのではないだろうか。

そう思う理由の1つは、前述のように実生活で出会った事が無いというのがあ
る。俺の知識範囲では、こう言った言葉は大切にすべき言葉で、極めて神経質
に扱わなければならない言葉だと思う。

アニメ「電脳コイル」でバーチャルと現実の世界を描いていたが、バーチャル
を”遊び”の世界と切り分けるかどうか。そこでの葛藤がある。

結婚は極めて現実世界のものである。
ゲームで結婚ができるものもあるが、まだ今は結婚は現実世界だけの文化だと
思う。だからバーチャルの世界で求婚を迫るのはNGではないが、適当ではな
いと言えると思う。



それ以前に。
私たちは相手との距離感、空気・・・つまりは関係を大事にしたいと考える。
ある言葉で相手を不安や、怒りや、心配や、不信にさせてはならないと思い、
考える。もしミスってしまえば、お互いの関係は崩れさる。

人間だから失敗はある。思わぬところで思わぬ言葉を発することもある。だか
ら相手に寛容である必要がある。

しかし相手の琴線に触れるような言葉もある。琴線に触れるような言葉になる
可能性がある言葉は、自分を追い詰めるほど細心の注意が必要だ。


彼女の言葉は俺への褒め言葉だったのかもしれないが、残念ながら俺は彼女の
評価を落とさざるを得ない。

人間関係なんて実生活で付き合いがあっても、そうそう相手を信用できるもの
ではない。基本的な信用はするが、頼ったり、心を開けて話すようになるまで
には、かなりの年月を要するものだと俺は思う。


人間関係を保つのは極めて難しいものだと、改めて感じた。