2018年(1)たぶん

◆ライブ
まだトークライブを観に行っているレベルだが、ライブってなに?っていう入り口に立つことにしてから
早2カ月経った。
ニコ生やabema、Youtubeライブなど見始め、ニコ生は有料会員になって丸7年経つのでライブ感というのは
感覚で分かっているはずだが、本当のライブは現地で肌身で感じなければ意味がないと思い始めた。
まだ自分なりの答えは出せてないが、観客との直接的インタラクティブ性だとしたら、多分現場にいなければ
得られることはない。つまりネット放送やTV、ラジオでは絶対に得られないもの。

MCが今日はどこから来たんですか?と質問に客が大阪からと答えるのは直接的だが、
ボーカルが皆のってるか!っていう呼びかけにYes!と客が応えるのは直接的とは言い難く、弱・直接的な感じ
だよね。
つまりリアル・ライブをプロデュースするというのは、インタラクティブ性をどう料理するか?にかかっている
気がする。
ライブは演者と観客の一体感こそっていう言い方をする人はあるが、その一体感って演者から得られるというよりも同席している他の観客から得られている方が大きいのではないか?と感じる。

さてお金の話。
1万席以上の大舞台で料金8000円のとき、売上8000万円。
(物販製作費、物販売上は含めていない)
イープラスに販売委託した場合、入場料金の8~10%が引かれるので、売上7200万円になる。
ここから演者、各役スタッフ、舞台建築などの実費が引かれるので運営側の利益(粗利)を
2~3千万円にするには、どうするか?っていうはなしになる。
舞台建築はたぶん2000万円前後になる。(規模によるが、より豪華にすれば4000万はかかる)
カメラ、照明、PAなどの機材レンタル料は500~800万円くらいだろうか。
スタッフ200名体制として日額2.5万円とした場合、1日500万円かかるので1カ月実働20日で1000万円。
(バイトスタッフの費用差、警備代などは考慮していない)
日本武道館の1日の賃料が500万円ほどなので、設営日も含めると1000万円
ここで既に5000万円近くなので、残りは2200万円だ。目標の利益ギリギリになってきた。
演者らには当然練習期間が必要だし、サイネージ用の動画、アプリを使うならアプリ製作費だって必要。
そうなると+1000万円はかかりそうなので、興行主の利益は1000万円あればいい方かもしれない。
(公演を収録してDVDやBD販売、またネット配信をする場合の費用は含めていない)
少なくとも入場料8000円でも結構カツカツな感じだということが分かるので、興行主の本音は売上1億は
欲しいところではないかと思う。

集客数1万ではなく200名を考えると、入場料も2000円とか安くせざるを得ないので
売上も40万など数十万レベルだから演者、スタッフ数を考えるとむしろ自腹切る(赤字)になりやすい
だろうね。
だから売上、利益を考えたなら、500名以上の規模の会場で、観劇料6000円以上。
これで売上げ300万円。
ここからチケット販売代行料10%引かれると270万円が実売上になる。
演者も含めたスタッフのギャラを20万設定の場合、7名で140万。
会場費を30万円と設定。
その他費用は60万円に設定。
これで総費用230万円。興行主の利益は40万円になる。

お金のことを言ったのは、自分のライフワークだ遣り甲斐を求めてる!といっても結局はお金だから。

現実を踏まえた上でライブを作っていく必要があると俺は思う。

ライブは正直儲からないと思う。
だけど求めている客は少なくはなく、儲かるライブを作ることは可能だということ。
儲かるライブを作るには、インタラクティブ性は必要だと思うが、例えば舞台劇はインタラクティブ性はほぼ無いし寧ろインタラクティブにすると演出が面倒臭くなるし破綻する可能性もある。
なのでライブであってもワンウェイでもいい気がする。課題は演出だろう。ただ演じる、ただ演奏するだけでは、コアファンは満足してくれるだろうが、ライトユーザーは冷めてしまうかもしれないからだ。

演者が観客にコールを求めるだけでも変わってくるし、最後にじゃんけん大会してプレゼントしてもいいかもしれない。しかしそれではありきたりで面白くない。
演者が客席に降りて客を舞台に上がらせたり、客に抱きついたりしても、喜ぶ客はいるだろうが果たして費用対効果でいえばどれほどあるのだろうか?

やっぱり本題を充実させることがライブを盛り上げる一番の手だと俺は思う。
そう思うのは朗読劇で完売御礼になっていることがあるからだ。
朗読劇は台本を読んでいるだけである。声の演技こそあるが、身振り手振りの演技はない。もちろん豪華な舞台もない。
一番人気のラブレターズでは、1700名規模の会場で観劇料5000円。
(パルコ劇場は450名ほどで直近の1/3キャパしかなかった)
売上850万円、販売代行費を引けば765万円。
EX THEATER ROPPONGI は1日32万円、設営日と会場練習(ゲハ等)に2日取ったとしても100万円。
演者ギャラを50万とすると100万円なので、ここまでの残565万円。
もちろんスタッフ人件費や雑費を引けば興行主の利益は良くて100万くらいだろう。
決して利益は大きくないが語り継がれるほどのライブになっている。

副業をいくつも出来るとはいえ、それでも1プロジェクト、1プロダクトとして見れば
演者もスタッフも月ギャラ15万円以上は欲しいだろう。
1カ月に4プロジェクト参加できても月収60万円だが、練習やら準備やら含めれば
1カ月4プロジェクト参加はかなりハードだと思う。体力的に3プロジェクトが限界ではないかと思う。


良いライブってなんだろう。
興行(売上)が黒字になるということは当然だが、演者や観客の満足度(CSR)が70%以上であることが
重要だろう。
演者の満足度も重視しているのは彼らのモチベが上がる=良い演技と考えるからだ。
(演者の場合はギャラってなるかもしれんがw)


ライブを主宰したいという気持ちはゼロではないが、実はあまり持ってない。
それよりライブのような感じ=ライブ感をどう出すか?ということの演出方法が得たいと思っている。
演出って意外といろんなものに通じる部分があると思うからね。