脱獄劇。でももっと人を描いて欲しかった。

全81エピソードのうち79話を見終わった。
壮大な叙述詩だと思う。

プリズンブレイクのいいところはトリックの豊富さ。

悪いところは全体的に詰めが少し甘い感じがするところ。


海外ドラマ『プリズン・ブレイク』ファイナル・ブレイク | 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
< http://video.foxjapan.com/tv/prisonbreak/ >

プリズン・ブレイク - Wikipedia
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF >










--ネタバレ含むので見たこと無い人は見ないことをおすすめします--


もう10年も前の米国TVシリーズ。当時30代だった演者は40を越えている。

先に良かったのは第4シーズン22話。実質上の最終話だ。
ダニーヘイルの妻がポールに唾を吐いたシーン。
見ている誰もが彼の名前さえ出てこないと思っていたところに出してきた。
そうダニーはポールに殺されている。だから議員に成り上がったポールに
唾を吐いた妻の気持ちは当然。だがあえて描いたのは製作スタッフの
弔いであり、視聴者の一部の気持ちを察してのことだと思う。
こういう良い意味での裏切りは79話見てきた者にとって嬉しいものだ。

個人的にはシーズン1と3が良かった。

シーズン1はフォックスリバー刑務所の脱獄で、同作のメイン。
シーズン3はソナ刑務所での話で脱獄があるのだが、それだけではなく
新登場人物を上手く使ったシーズンだった。

シーズン2はS1で飛行機での脱出ができず、FBIマホーンから逃げる逃亡劇
なのだが、人間を描くよりもトリックに力を注ぎ過ぎた感がある。

シーズン4はスキュラを盗り盗られのドラマがメインだが、
やっぱりもっと登場人物を描くべきだったと思う。

最期、マイケル、リンカーン、サラ、スクレ、シーノート、マホーンが
免罪になり、Tバッグは彼らの拒否で刑務所に投獄される。
浜辺をサラと共に歩くマイケルから鼻血が。そしてラスト、4年後にマイケルが
亡くなっていることを示す墓に、リンカーン、サラ、スクレ、マホーンとマイケルの息子が
参りに来るシーンで終わる。
まあそれはそれでいいのだが、鼻血だけでマイケルが死んだことフラグにするのは
ちょっと安直すぎる気がする。

あと最後にシーノート、クランツ将軍、ポールの4年後がサービスカット的に描かれているが
個人的にキャロライン・レイノルズとグレッチェンがどうなったのかも知りたかった。
特にグレッチェンは腹部を撃たれてたぶん警察につかまっていると思うのだが、半死半生にして
おいたにもかかわらずその後はドラマ内では使ってない。
ドンセルフは辛うじて生き延び半ば植物みたいな姿になったところまで描いているのにだ。
レッチェンはシーズン3から登場しているのに、なんでシーズン4からのドンを最後まで
描いたのかが分からない。


細かいところを言えばいくらでもあるが今日はここまで。

貶しているように思えるかもしれないが、特にシーズン1は本当に展開がよかった。
たぶん視聴率に左右されて脚本製作が東奔西走してしまったのだろう。
それでもマイケルが亡くなるというエンディングは変えなかった理由を知りたいものだ。

ちょっとした表現でも、あーすれば、こーすればと思うところが多々あった。
それが残念に思う。

だが79話見終えられたのは作品として良かったからだと思う。