メーカ側がコントロールできるから配信OKにしたPS4

でも実際はPS4機能を使って配信している人は少なく、キャプチャツールを使って全編配信している人もいる。
当初は注目された機能の1つだったけど、制限があると実況をみている者からすれば萎える放送になる。

格闘ゲームやRTAができるアクションゲームやスポーツゲームなどなら見ているほうも気楽に楽しめるが、長時間におよぶRPGやアドベンチャーは最後まで見てられないし、放送主も最後まで放送できないこともある。


PS4や日本未発売のXBOXONEも、無秩序に広がっているゲーム実況放送をどうにか合法的にして双方WinWin関係にしたいというのが実況機能の追加なのだと思う。
しかし実際、これだけ制限がつけられた実況機能だと正直あまり意味がないようにも感じる。

Ustやニコ生など企業が行っているストリーミング配信サービスを使っている場合は規約にゲーム機の機能を使うことを盛り込んで規制することは可能だが、自分自身でサーバを立てストリーミング配信を行うことも可能で、そういうところはどうやって規制するのか?という課題もある。


じゃあ著作権料や放送権料を払うから「放送させろ!」ということが可能なのか、どうかだ。

金を払えばそれで済むという単純な話ではない。権利者や出演者、製作者の思惑があるからだ。
事務手続きや書面の準備だけでも相当な時間がかかる。それをやってでも放送しようと思う人がどれだけいるかだ。
企業側は利用者が著作権に対して興味関心と行動を共にしてくれることはとても嬉しく思うだろうが、じゃあ個人から申請があったものを受付、許可をだす事務手続きはしたくないと考えていると思う。あまりにも煩雑でそこにリソースを割かれたくないと考えるだろうから。

結局、フェアユースの範囲をどうするか?だということだと思う。

ゲーム開発企業、ゲーム製作にかかわる出演者や所属事務所など権利者がこれまでどおり見てみぬ振りをせざるを得ないのか。それともフェアユース規定を業界全体で決めて、徹底運用をユーザー、配信業者に徹底を喚起するかしかないように思う。

例えばニコ生なら「ゲーム」というカテゴリが現在の制度がある前から存在している。
だったらドワンゴニワンゴはゲーム会社と包括契約した上で、ゲームタグを付けて配信する人に対して月500円や800円を別途支払わせて、放送時間数に応じてドワンゴがゲーム会社に利用料を還元する。みたいなシステムを作れば、法的面では解決するんじゃないかな。と考える。
ただこれをやるとユーザ側は「そんなもん払うかバカ」といってニコ動を退会して他サービスに行ったり、そもそもタグ機能のないツイキャスなどに引っ越されるとドワンゴにとって痛手になる。


ゲーム業界がゲーム実況に対してどう考えるか?もうこれしかないと思う。

フェアユースを議論してもたぶん膨大な時間がかかるだけで殆ど意味がない。
だったら個人のゲーム実況放送は「全てNG」とし、もしやったら法的に訴えるという徹底をするしかないと思う。
これは今の日本のゲーム企業の考え方を踏まえたらということ。


俺個人的な希望を言えば、
自社のゲームを実況放送したい場合は、必ずメールか郵便で申請書を出して下さい。許可を受けた方だけが放送してください。万が一不正があった場合はアップロード画像動画を即日削除してください。
といったことを企業が行ってくれるシステムになればなと。

すべての実況放送している個人から金をもらったとしても、たぶん1ゲームあたり数十万~数百万が限界だと思う。つまり「金」にならない。そんなのにリソース割いていてはキリがない。
得たいのは、どれだけの人が自社ゲームで実況放送をして、どういう扱いで放送をしているのかだと思う。

1円でも製作者、出演者に著作権料等を還元すべきだというのが今の考え方なのだろうが、1円送金するために315円の手数料を付けるのか?っていう話は現実的ではなく馬鹿げている。

原則はこうです。
という話をした上で、現実的な話をやって、現実的な話の上でルールをつくるしかない。

あと最後に。
ゲーム実況はDVDやBDの映画を、権利者に無許可でネット放送するのと同じですよ。同罪ですよ。
という告知、周知徹底を、業界はすべきだ。それもせずにダメだ!の一本張りでは正直苛立つ。
そういう周知徹底を行う放送を、CEROや権利者団体が月1回やれば、随分変わってくると思うよ。

ゲーム放送をする側のモラルは必要だが、ゲーム企業や権利者側の無努力はもっと批判されていいと思う。



ソニーPS4、マニア以外を取り込みヒットなるか?カギ握る「シェア」「実況」の壁 (Business Journal) - Yahoo!ニュース
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