牙をもぎ取れば下僕になるは、いまの香港事情を見れば明らか

[ 貧乏人を排除する「スーパーシティ構想」のヤバさに気付かない日本人の脳天気さ ごく一部の金持ちが街を作り変える | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) ]
( https://president.jp/articles/-/38161 )

 

いままさに香港が中華政府の「香港国家安全維持法」により次々と民主活動者たちが逮捕されている。保釈を求めれば約600万円。とても個人が支払える金額ではない。
同法の違反で受ける刑罰は無期懲役刑。

今現在逮捕され拘留されている人達の判決がでていないので実際どれくらいの刑期で処せられるかは不明だが中心核メンバーなら10年以上になる可能性は十分あるだろう。

 

思い出してみよう。1989年の天安門事件を。

あの時は胡耀邦中国共産党中央委員会総書記)が、当時のソ連ペレストロイカを提唱したのを機に、言論の自由を推進しようとした。それらに感化されデモが発生。
中華政府は学生デモを穏便に鎮圧する策が失敗し結果的に武力鎮圧に至り最大1万人死者が出た。そして胡耀邦は追放され自宅軟禁のまま2005年に死去している。

2019年に香港内で起こったデモを中華政府は穏便に制圧しようとしたが失敗。
今回の「香港国家安全維持法」の強硬施行は天安門事件と2019年デモの辛酸を再び味わうことが無いようにする強い思いがあったのは示唆的である。

いま(2020年8月)の香港を見てどうだろう。
まだデモは散発的に起こっているだろうが、何十万人にも及ぶようなデモは起こっていない。それどころか民主活動者の中心的人物が次々と逮捕された。保釈されたが放免されたわけではないのでいずれ裁判があり判決が下される。そうなると保釈されてた彼等は再び刑務所に送られる。中心核であったため数十年単位の懲役刑か禁固刑になる可能性がある。そうなるとリーダー不在で残った民主活動家たちで立ち向かうのは困難。

 

池田 清彦教授の記事に戻る。

コロナ後の世界ではさらにごく一部の金持ちとその他大勢の貧乏人というふうに階級が分かれていくかもしれない。スーパーシティ構想が進めば住民の声ではなく富裕層の思惑のみでいろんなことを決めるから、いま以上に階級間の格差が広がっていく。そういうシステムをつくろうとしているわけだ。

そうなったとき、日本人はいつものように自然現象とあきらめて富裕層の言いなりになるのか、それとも江戸時代の百姓一揆や打ち壊しのように反旗を翻し、社会をひっくり返そうとするのか。自分の家族、郷里、母校などに対する愛着から発した、本来の土着の攘夷思想は、はたして日本人の心にどれだけ残っているのだろうか。

 と記事にあるが、牙を取られれば一揆(デモやストライキ)を起こす力など出るわけがない。

富裕層が自分たちの意に適わない連中を放っておくわけはなく、例え自分たちの金銭的利益が減ろうとも、意に適わない連中(つまり低所得者層)を完全追放しようとする動きは歴史から得る教えである。

 

それこそ自衛隊の中心人物が10個師団まとめてクーデターを起こさない限り、富裕層が低所得者層や弱者を虐げる流れは、絶対に止められない。

その証拠に、2019年に起こった池袋・母娘暴走殺人犯の飯塚幸三(元・旧通産省工業技術院)はその身分から犯罪相当の処分にならず在宅起訴に留まっている。
この一例を見ただけでも如何に優遇されているかが良く分かる。

もし犯罪者が一般や弱者だったら、警察は速やかに逮捕し懲役15年以上を科していただろう。

 

我が身を守るのであれば当局に従うほかない。それが答えになる。