引用と転載と盗用と剽窃

この問題に触れる上で用語の説明・定義を語る必要がある。
が、先に俺個人の印象をいうと、「謝罪文のみ」でよいと思う。(賠償金や慰謝料は不要だし過払いだと思う)
理由は、
ソードアート・オンライン(原作・川原礫、出版・アスキーメディアワークス/小説、アニメ、PSPゲーム。以下、同作)が元
・TwitterBOTは同作の二次創作の域
・対象となるTwitterBOTは、原作者や出版元の許可・許諾を得ているとは明記されておらず、また考え難い
・TwitterBOTからTwitter投稿される文章は、同作の小説や台詞を利用していると類推される
・TwitterBOTから投稿される文章は独自性、独創性が強いとは感じられない

慰謝料を求めるのは勝手だが、そもそも原作があって原作者や出版社に金銭面で還元・支払いをしていないのなら、賠償を求めるのはおかしいんじゃないか?と思う。


で。
引用と転載と盗用と剽窃(ひょうせつ)という用語があって、それぞれ法律や裁判上で明確にされている部分がある。
「引用」ウィキペディアに下記のように書かれている。
  • 既に公表されている著作物であること
  • 「公正な慣行」に合致すること
  • 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
  • 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
  • カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
  • 引用を行う「必然性」があること
  • 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
 文化庁 (2010, §8. 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合 ⑧ ア、「引用」(第32条第1項))
ウィキペディア独自まとめとして、次の項もある。
  • 引用する分量を抑えなければならない。
  • 引用するには目的(必然性)が必要であり、それに必要な量しか引用してはならない。
  • 質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」の関係になければならない。ただし知財高裁平成22年10月13日(鑑定証書カラーコピー事件)判決においては主従関係は要件とされていない。
  • 引用を独立してそれだけの作品として使用することはできない。
更に著作権対象外は次の項としている。

「転載」は、引用(補足説明として用いること)以外の利用。
「盗用」は、著作者・出版社に無許可で掲載・利用すること。
剽窃」は、著作者・出版社・作品の名を出さず、自身の作品だと捏造すること。
というのが俺個人の理解である。


引用・転載する際、「量」や「用途」については法律文面では”個別対応扱い”されているので
明確な物差しはないのだが俺の印象をいうと、【全体の50%未満であること】と言えそうだ。
50%未満という閾値は許可できる最大限量であって、これはケースバイケースだから著作者や
出版社によっては5~10%とする場合もあるだろう。

じゃあ1投稿140字のTwitterは?

小説や雑誌なら140字使っても50%以上にはならないが、Twitterだと全文になってしまう。
プログラムの場合、短いソースコードであれば著作権違反には問われないというのがある。
Twitterもこれに該当するのでは?というのが俺の考えだ。


ただ今回取上げた問題だが、あおいまなぶ氏製作冊子がどこまでTwitter記事を転載したのかが
分からないので言及できないが、申請もなくBOT投稿記事を丸々使っているとは考え難い。
じゃあ著作者に許可なくTogetterでまとめる人も「違反者」だし、Togetterそのものが違法という
ことになってしまわないのか?となる。


確かにBOT開発者に無許可で冊子化し販売したのは駄目だと思うが、詫び状と謝罪文掲載だけで
十分だったと思う。なので謝罪文で反省は十分感じられる。
むしろ金銭を要求し関係する企業へ通報するという発言は、恫喝・脅迫に値するようにすら思える。


あおいまなぶ氏がBOT開発者に許可申請していれば済んだことではあるが、その見返りを強行に
要求したBOT開発者に対してこそ倫理・道義面に強い疑問を感じる。



C83発行コピー誌頒布に関して発生した問題についてのご説明 | Studio BLUE MAGE
< http://aoi.neko.ne.jp/read.txt >

ソードアート・オンライン - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

引用 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%95%E7%94%A8

JMPA 日本医書出版協会 引用と転載
 http://www.medbooks.or.jp/forauthor/quot.php

転載、引用、盗用 区別のつかない人が意外に多い - 最終防衛ライン2
 http://d.hatena.ne.jp/lastline/20080111/1200040740