試写会に行ってきたので感想とか。
【ネタバレあり】
ペンギンハイウェイは原作・森見 登美彦(2010年)の作品で、2010年にSF大賞を受賞している。
アニメ版の監督・石田祐康は短編作で受賞歴などを持ち、2011年にCOLORIDOを起業し、2014年に
フジテレビ・ノイタミナのSP枠で「ポレットのイス」を手掛けている。
雰囲気の感情に訴えてくるものはあり、美術力はジブリ並みの力を感じた。
でも以上。
ちゃんと消化しきれないというか何故そこで暗転するの?というシーンが多々あった。
俺の印象をいうと、少年と少女とお姉さんの一夏の経験。を描いた作品。
ペンギンや怪物や得体のしれないモノが出てくるが、それは飾り物でとくに意味はない。
いじめっ子の3人組はなんで登場させたんだろう、必要かなあ?という印象だった。
伏線をあちこち散らばめているものの、その回収方法がかなり強引。
世界の穴とか異次元から来ただろうお姉さんはどーでもよく、もしそこを中心に描いている
のだとしたらとんだ糞作品。
一夏の小学校の少年と32歳の女性、その関係をやむも少年に心寄せる少女。を
どう描くかがこの作品で描くべきところ。
だと思うんだが、そこをちゃんと描き切っていない。
90分を超えると映画館の劇場使用料が上がるのに119分というほぼ2時間に渡る
長編にしておきながら、この描き切れてないのは少々腹が立つ。
俺は試写会だったから良かったが、これに1800円は払えない。よくて1200~1000円だ。
つまり点数にしたら、67点。
俺にとって女性と少年は永遠のテーマであり、これを上手く描いたのが銀河鉄道999だと
思っている。
母親ではない女性が、少年の成長を見て、また実母ではないのに母性を出したり、
時に恋人のように接したり、教育ママになったり。そういう複雑な存在を描きつつ、
少年は着実に成長していく姿を描くべき。だと思っている。
モチーフはとても良いと思う。ペンギンはあくまでトリガーでしかない。
なぜ少女が少年に片思いをし、少年は女性に思いを寄せるのか。そこを描くべきだった。
製作期間の課題はあるにせよ、120分近い大作ならもう少し丁寧に描けたろうにと思う。