【ネタバレ】 アウトレイジ最終章

TCX画面でやってるので最終章を見てきた。

ネタバレあるので、注意を。













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1、ビヨンド共にビデオで見ているのだが、やっぱり武の表現力はどんどん衰えていると感じる。

主人公が最後に自分に拳銃を突き付けて自殺するのはソナチネ以来なのかと思うが、
ソナチネは主人公に悲壮感を感じたが、李から銃を突きつけられるまでの脈略が非常に薄い。

先日ニコ生で北野武が書いた恋愛小説・アナログ記念放送で、又吉 直樹氏と対談していたが
その際に意外性や表現について色々語っていたが、あの考え方なのであれば、李から突き付けられた
大友のシーンは違和感がある。
俺なら、ゴッドファーザーよろしく、湾岸沿いを走っている車の中で大友がションベンしたいから
止めてくんねーか?と言って、でも李はずっとイライラしてたから海に向かってションベンしている
大友を狙おうとするが、大友はションベンしながら自分の銃を頭に向けて発砲して自殺、大友の
身体は海へ。という流れの方が意外性もあるし、北野らしいポエムぽさも表現できると思うんだがね。

花田がSMに興じているシーンも、北野作品ならゲイでやりまくってるシーンのほうがしっくりくる。

最後に、野村が幹部組員もろとも寝返られるが、そこももうっちょっと表現の仕方があっただろうにと思う。
つまりあのシーンは野村が最高に詰められているシーンなのだから、野村の人間性が出るところ。
激昂するもののその程度でいいの?とさえ感じた。

北野作品のヤクザ物は基本底辺には凄く静かな世界があって、そこに血しぶきが舞うのが良かった。
なのに出所祝い会の銃乱射はあまりに素気なさすぎて「は?」だった。

やはり北野作品は銃を使ったシーンはダメ。
走って、走って、走って。殴って、殴って、殴って。っていう泥くさい戦いの方がいい。

というか戦争映画以外でマシンガンぶっ放してると玩具の世界にしか感じないんだよねえ。
現実味がないというかさ。


次回、どういう作品を作ろうとしているのか分からないが、北野武は今年70歳
宮崎駿と一緒で年齢の壁を否応なく感じていると思う。
創作への熱意は変わらないだろうが、上に述べたように、昔にあった北野作品の良さが
今は無い。
それは敢てやっているのか、本当に衰えてそうなってるのかは分からない。
でも俺から見て少なくとも北野武の表現能力は劣っていっているようにしか見えない。

見て良かったか悪かったかを言えば、後者のほうだ。
ただ今のところ世界の日本監督の座は北野武しかいないことも事実だ。
だから芸術作品の監督として世界と対等に張り合える監督が出てきて欲しい。