netflixがコンテンツメディアを席巻する論を語るも、なぜNetflixかを語れず

Netflixが9月からサービスインし話題になっていることを語ってたのだが、岡田氏は
日本のアニメってそろそろ淘汰されて本当に儲かってる会社しか残らないよねってことを言いたかったようだ。
付け加えてニコ動、ドワンゴが目指しているアニメの姿ってダメだよねっていうことの2点だったように感じた。

日本は欧米と違って子供に小遣いを与える、つまり幼いころから金銭面での決定権を与えており、
且つガンダム等を生んだ監督、作家は1970年前後の安保闘争の時代を色濃く作品に映している。
とても特異な環境で生まれ育ったのが今の日本のアニメだよね・・・と。
今のTV局はあくまでコンテンツディストリビューターの役目しかなく、番組製作力がほぼ無い。
そこにNetflixという自社制作番組も行うネット配信プロバイダーがきたことで、随分と様変わりする。
というのが岡田氏の言い分だったように思う。


俺もNetflixには関心もあるし加入もした。
自社制作番組を放映するのはGYAO、Huluと比べてリスクを取りながらの強気戦略は
俺個人的に好感をもっている。
だがHuluは日テレが事業を引き継いではいるが、実質日本から撤退している。
GYAOはヤフーがバックにいるからやり続けられている。
SHOWTIMEは楽天がバックにいるのでGYAOと同じような状況。
Netflixソフトバンクと提携してはいるが、じゃあ日本のTVやアニメをひっくり返せるかというと
これといった根拠はない。

まずNetflixを見るにはネット回線が必要で、その上にNetflixに月額料金を払わないといけない。
まだまだコンテンツの網羅性は低いものの近い将来かなりのコンテンツ数を抱えると思う。
でもそれが従来型のネット動画配信サービスと同じであれば意味が無い。
従来のサービス会社が放映してないマイナー作品も抱えられるか?だと思う。
課題は複数ある。
・権利問題
・マスターテープ
・視聴者数

まずマイナー作品は誰も手を付けてない可能性があるから、権利問題をクリアするだけでも
1年2年かかる可能性が十分ある。
権利問題がクリアしてもマスターテープが完全な状態で残っているかどうか。残っていても
テープが破損してとても見れない状態という可能性もある。
上記がクリアしたとして、その作品に対しどれだけの再生数、視聴者数を生めるか。
ようはマイナー作品を餌に他社が獲得できなかったユーザーも獲得しようという狙いで
マイナー作品を入れる訳だから効果が見込まれなければ大赤字になる。

自社制作作品があることが強みの1つだが、その作品が本当に日本でウケるのかどうか。

ニコ生のような偽ライブ感を出すような仕組みを取り入れるのも手だが、それで
どれだけの客が来てくれるかは疑問。

日本の番組製作会社がNetflixと契約して番組を作る可能性はあるものの、さすがに
Netflix1社じゃ食って行けない。せめてあと2~3社はないと。
つまりネット配信サービスが自社コンテンツを作る風潮、習慣にならないと
岡田氏がいうようなコンテンツサービス産業にはならないと思う。


アニメに関しては既に斜陽産業になっているので、今の盛り上がりをいつまでキープできるのかだと思う。
俺はもう2000年頃からゲームもアニメも斜陽で明るい材料は無いと思っているので、
いまさらそれを力説されてもって感じ。

外国人から見た日本が「ハイアマチュアは多いが、プロフェッショナルが少ない」と言われてるらしいが
それはプロフェッショナル(宮崎駿黒沢明のような方)、突出してる人を送り出せない社会環境が
あるので、結局1にも2にも売上げ重視してるからね。
ドリームワークスがディズニーと手を切るらしいが、品質にこだわるスピルバーグ
売上げ重視のディズニーの違いがあるが、日本は前者がなく後者しかないのが問題かなと。
(品質は一定以上なんだけど、チャレンジがないってこと)


Netflixによって多少は変わるとは思うけど、劇的に変わることは無いかな。



ニコ生岡田斗司夫ゼミ 9月6日号「Netflixでアニメは変わるのか?・東京五輪シンボル撤回についてなど…」 - 2015/09/06 20:00開始 - ニコニコ生放送 <http://live.nicovideo.jp/watch/lv232140639?ref=top&zroute=index>