犯罪者の出版収益をどう考えるか

サムの息子法はアメリカでは州法、日本で言うところの自治体の条例だということ。
下記にあげてる星野弁護士は国の法律として組み込めるよ的な言い方になってるけど
それだと難しいのかなと思う。アメリカでもそこまでやれてないから。しかも州法化
したのは50州のうち40州と8割にとどまっている。

当時少年犯である彼は、法律上はすべての刑期を終えている。
その後なにか悪いことをしたわけでもない。仕事を転々としているということくらいで
一般市民である。でも誰も彼を許そうとはしないし、むしろ彼を叩き続けようとしている。
それはそれで一方的かなあと思う点あるけど、遺族は死ぬまで苦しまされる。ならば
刑期を終えたと言え犯人も死ぬまで苦しみをという理屈はあってもいい。


俺個人は出版したことが良いとか、悪いとかを言うつもりはない。
それよりも彼を取り巻く大人たちが何故、どのように考えているのかのほうが
はるかに大事だと考えている。
だから先日出版社がだしたプレスリリースにはとても不満。
車内で議論があった。でも意義があると判断した。と書いてあるんだけど、
どういう論点があって、どういう解釈になって良しとしたのか、経緯がすっとばされていたから。
15万部も売れればちょっとした有名作家だ。印税も相当額手に入る。
ならば何から何まで全てオープンにすべきだ。というのが俺の考え。

彼が負うべき義務はあるが、それを肥やしにしている出版社も義務を負うべきである。

先日のプレスリリースに、出版社が説明をお詫びしたくアポイント取ったという話もされてない。
アポを取ったけど断れたとも、菓子箱もって挨拶に行ったという話もしていない。

だから事件に関しては彼が100%悪く一生償う義務はある。それと彼を取り囲む大人たちは別。
出版社は15万部も売れたのだから、その一部を遺族や家族を殺され悩み苦しんでいる人たちに
還元すべき。そう、犯人が小説ではなく当時の回顧録を出したいならそれはボランティアであるべき。

そのボランティアは、犯人と出版社の両方に課せられる義務であるべきだ。


あるコメントに
「手記をだしたいならインターネットで、自分のブログに書けば良い」
俺もその通りだと思う。
いまは誰だって、そう俺のような奴でも思ったことを発言できる場がある。
コメント受付を禁止にしておけば罵詈雑言のコメントは書かれずに済む。
むしろその方が、編集者によって加筆、訂正されないから信用される記事になるのでは。
「私は酒鬼薔薇です。あの時の話とそれからの話をします」と書けば
たぶん50万100万の人が見にくるだろう。

俺は彼の手記は1ページも読んでない。しかしメディアを使って出すということは
自己顕示欲が旺盛だとしか捉えられない。I AM ALIVE!と言っているわけだ。
じゃあ殺された人の無念は?遺族は?というところは何1つない。


ネット知人が手記を読んだので感想を聞いてみた。
「悪書ではない。彼は服役を経て、単なるコミュ障の人物でしかない」と語っていた。
知人の話を聞いて俺が受けたのは「自分の殻に閉じこもることで自分を守っていた」という印象。
自分の逃げる道と高揚・快感を得られるのが性快楽だったということ。
(だったら良いという話ではないが)


話が飛び飛びになってしまったが、
社会性、公共性の高いものに関しては、完全にボランティアであるべき。
いろいろググってるうちに、彼は幻冬舎にアポをとって話が進んだが
出版を見送ることに決め、太田出版に打診したようだ。
詳しい経緯は週刊文春の記事になってるようだが、どこまで書かれているかはわからない。

何度もいうが、確かに事件において彼の非は免れられない。
が、彼が自分から売り込んできたにしても、それを利用しようとした
大人たちはもっと批判されていい。

サムの息子法を国会や自治体の議会で上がったという話は今のところ聞いてない。
俺から見て醜い大人たちがいる限り、日本でもサムの息子法が採択されてほしいと思う。



『絶歌』品切れ続出で注目される「サムの息子法」とは? | ニコニコニュース
 <http://news.nicovideo.jp/watch/nw1651462?news_ref=nicotop_topics_pick>

酒鬼薔薇事件で注目「サムの息子法」は日本にも導入できるのか | シェアしたくなる法律相談所
 <https://lmedia.jp/2015/06/15/65170/>

“加害者”家族の現実 失われる日常、自殺、退職、執拗な脅迫…広く親戚にまで影響 | ビジネスジャーナル
 <http://biz-journal.jp/2013/05/post_2182.html>

特定非営利活動法人WorldOpenHeart
 <http://www.worldopenheart.com/index2.html>

元少年Aは幻冬舎に手記出版を持ちかけていた! | スクープ速報 - 週刊文春WEB
 <http://shukan.bunshun.jp/articles/-/5186>