TV

TVは、動画コンテンツにおいて100%シェアを持っていた。
1976年にVHSビデオ、1984年に初のOVAバースが発売されるなどセルビデオレンタルビデオが台頭した。シェア100%を独占できなくなった瞬間だった。

廉価版ビデオデッキの普及で観れない番組は録画され、見てほしいCMは飛ばされる。それだけではない。コンテンツ(番組)はコピーされ横流し。当然いまのような著作権対策はないから無法地帯だった。

そしてTVゲーム到来。
1983年のファミコンを皮切りに1990年にスーパーファミコン、1994年にプレイステーション、2000年にプレイステーション2、2014年に現在のプレイステーション4へと続いている。
ここでもTVのシェアが削られてしまう。

そこにネットが1995年から台頭。
2000年にGoogle、2005年にYouTube、日本ではmixiGree、2006年にニコニコ動画、2008年にTwitterなどでネットのコモディティー化が急激に進んだ。
2009年にGYAO、2008年にNHKオンデマンド、2010年にhulu、2015年にNetflixが定額動画コンテンツ配信が始まった。(Netflixは2015年秋から)
もうTVのシェアは下がる一途だ。

追い討ちをかけるように
2007年にiPhoneAndroid、2010年にiPadが出て、スマホアプリも合わせてヒットした。
人はDVD映画に、TVゲームに、スマホゲームに時間を割くようになり、更にはSMSやメール、LINEなどに追われる毎日。TVを見ているどころではない。


TVのシェアはTV番組自体が面白く無くなってきたというのも事実だが、それ以上に「自然減少」のほうが遥かに影響が大きいと思う。
それでもTVの広告市場は巨大。だから1番組に対し数千万から数億円かそれ以上のお金が流通する。

俺がニコ動を見始めたのは東方大震災が発端だった。意外と平静を保ってたが、何があってもおかしくないから寝ている間でも何かが起こればすぐ情報を得たかった。ニコ生は不安感を払拭してくれるいいツールだった。
賛否あるが大震災で見直されたのがネットだった。電話が不通でもネットでメール、SMSなら通じれる。しかも動画でもやり取りができる。これは非常に大きかった。

以前このブログでまとめたことがあるが、俺独自の試算では人気のニコ生番組でもTV視聴率に換算すると「1~2%」程度だということがわかった。
TVはゴールデンタイムだと7%前後、人気番組となれば15%を超える。これは数百万人が見ている試算になる。

大企業は一時期TVCMから手を引き始め放送局は窮地においやられた。しかし今はネット、TVの特性それぞれを知るようになり、ケースバイケース使い分けをするようになってきた。
広告主は戻ってきたが、それでも半沢のような超ヒット番組を除けば10%確保が難しい状態。
潮時と見る人もいるだろうが、これは放送局が考え直すべき時がきたと捉えるべきだと思う。


なにを考えるのか。
視聴率とコンテンツ価値を切り離して考えることが大事だということ。
コンテンツがあるから視聴率もある都いう考え方が一般的だと思うが、TVではコンテンツとCMを
セットで売っていた。制作費はCM主からもらう形で無料放送していた。それが従来の形だった。
しかし今は違う。
Netflix、huluだけを見てもコンテンツは売れる商品だ。
もちろんCM主との契約次第もあるだろうが、コンテンツとして切り売りできる時代になった。
それが顕著なのがアニメだ。いまや
TV放送→1週遅れでネット放送→DVD、DB→DVDBOX→ネット配信会社に販売
というのが一連の流れになっている。人気があればゲーム化、映画化でさらに版権販売できる。
この手法がどこまで効果あるのか、実際どの程度の収益性を持っているかはわからないが、
成果があるからこそ使い回されるプラクティスだと思う。

ドラマはもちろん、他のジャンルにおいても同様の手法を使って、CM料で稼ぐという方法に
固執せず、コンテンツで稼ぐやり方をすべきだ。


一方、ネット放送。
規制が少ないネット放送だからTVでは表現できないこともできるが、常に低予算だから
お金がかかることが出来ない。という悩みがある。
そこでネットからTVへ進出できるコンテンツを作ることをすべきだ。

ドワンゴ自体は儲かっていても、個々の番組で収支を見たら赤字がほとんどだと思う。
ウチは儲かってるからいいよ、ウチはディストリビューターだからさ。ではなく、
売れるコンテンツをつくって、より大きな資金を得られる仕組みを作るべきだ。
そうでないと本当にクズ番組の烏合の衆でしかなくなる。
それでいいんじゃね?っていう考え方もあるが、それでは成長できないよ。
成長するためにやるべきだ、と俺は考える。