アニメがきっかけに・・・は、もう古い商売方法

現在のアニメは1クール、12~13話で完結する生産ラインになっている。
これは現在のTVドラマがそうであるように、ヒットしなかった場合のリスクヘッジだ。
2000年頃までは半年~1年持たせていたが、1本1千万円かかるといわれるアニメ製造に
40~50話続けるには4~5億円かかっていたが、13話なら1.3億円ですむ。

記事にあるアニメ「極黒のブリュンヒルデ」は、アームス(ぴえろ系)製作、今泉賢一氏(アートランド出身)が
監督している。

記事にあるような無理が生じることはいままでにも多々あったし、珍しいことではない。
1年続けていた時もスポンサーの打ち切りによって急展開をせざるを得ない状況になった作品は少なくない。
ただ現在は先にいったように13話完結という短編作りになっているから先の見通しがつきやすい、はずだった。
2期(26話完結)を前提にしていたがそれが急遽取りやめになったということだが、それで一気に詰め込むのは
これは監督、制作側のご乱心にしか思えない。
もともと13話x2で構想されていたのなら当初の1期目の終わりで終われば無理は無かったはずだ。
どうしてそれを一気に詰め込もうとしたのか、理解に苦しむ。

また制作側は2期前提でスタートしたものでも、万一のことを考えておく必要があるのにしなかった。
なんのための1クール制なのか。制作側は見つめ直すべきではないだろうか。

もしくは集英社側から無理なのは分かっているが先を見させて視聴者の興味をそそらせたいという
強い要望が有った可能性も否定できない。だからといってこれも問題だが。


作者によっても捉え方、考え方は違う。
スケバン刑事の作者・和田慎二氏のようにアニメ化は原作を損なうということで裁判まで起こし
製作を取り下げさせたという話が有る一方で、士郎正宗氏のように「許可した作品は、どう煮て焼かれようが製作サイドに全て預ける。」というスタンスの人もいる。また東方シリーズの原作者・ZUN氏も二次創作に対して何の制限もかけない方もいる。


そもそも原作有りのアニメは、完成度がどうであれ二次創作でしかない。
監督ら制作側が原作の超ファンで理解がある人によって作られるにせよ、アニメは原作とは違うのだ。
更に言えば原作という縛りを受けながらアニメを制作するのってすごく大変だと思う。もし俺が原作者なら
自由に作ってもらった方が良いと考える。その方が破綻は少ないし、伸び伸びと描けると思うから。

ついでに言うと、1クール制の現在はメディアミックス展開は不可避。アニメがTVで放映されたら、
DVD/BD化、グッズ、音楽CD、ニコ動での放映、ゲーム化、雑誌化、ラジオなどが1パッケージになってる。
原作の漫画、小説を読んでもらうためなら、億をかけてTV化するくらいならOAV化したほうが良いように思う。
TVアニメ化は広く愛される作品にするために行うことであって、政治的な理由で破綻させては本末転倒だと
俺は思う。

ファンに悲しい思いをさせないためにも、原作ありアニメを作る際は制作側はいろんな選択肢を携えて
制作に挑んで欲しい。そう思う。


原作アニメの「使い捨て」が急増 - 日刊サイゾー
< http://www.cyzo.com/2014/07/post_18010.html >