「同人マーク」、いろいろ曖昧すぎて安心できない

まだ策定中ではあるが、リリースにコンセプトとして次の項目が挙げられている。
  1. 作家が自分の作品について付けるもの
  2. 三者による二次創作同人誌の配布を同人誌即売会で行うことを認める(ただし、デジタルデータは除く)、という意思表示である
  3. もとの作品の全部または一部をそのままコピーして配布することは認めない(二次創作のみ許容する)

1.曖昧さ、どう拭う?

二次創作を認める、という意味では良い事だ。しかしデジタルデータは除くとは、どういう意味なのか?
今どきデータがデジタルのものが多いのに、この縛りは意味あるのか?と思う。

デッドコピーは禁止するとあるが、二次創作である限りキャラクターを原作に近づけて描くのは当然のことのようにある。じゃあどこまで同じだったらダメなのか?という【定義】が今のところ無い。

もっともっと具体的に、実例をあげて示すべきだ。


2.拡がりが限定的になっては存在意義半減では?

現在、赤松健氏を初めとする一部作家が過去作品の電子化物を無料配布しているケースは極少数だ。
全ての作家が自己作品に登用する必要はないが、無料配布と違って二次創作許可の意思表示の同意者が増えてくれないと、TPP正式参加・加盟後は特に大変で煩雑になりそうで怖い。

ちゃんと版権を運用するとなると、当時の岡田斗司夫氏が始めたワンダーフェスティバル「1日版権制度」と同じ運用が必要になる。しかしあまりに事務処理が煩雑すぎてワンフェス事務局などからいまだに苦情・批判があるので考えものだ。


3.NOT USE 二次創作マークも必要では?

だったら二次創作利用厳禁!というマークも必要ではないだろうか。
岡田斗司夫氏も触れているが、漫画やアニメのJASRAC的な著作権管理団体は必要に思う。作家が漫画アニメ版管理団体に信託すれば後の煩雑な事務処理は団体がやってくれるし、二次創作作家が著作権料を払うシステムもあれば、原作作家に対価を受け取ることもできる。


というか、本当に売れる二次創作作家は1イベントで数千、数万部を売るが、8割9割は売れない素人作家ばかりで、むしろ出版費の赤字を抱えている。赤貧な素人作家に著作権料・版権料を求めたり、活動することを制限するのはどうかと思う。

余談だがいまのコミケットは企業出展ブースもある。出展企業は二次創作イベントの趣旨を理解して出展していることになるが、二次創作NG!というなら出展すべきじゃないのではないだろうか。



TPPを念頭においての活動のようだが、TPPは加盟国すべて同じルールが適用されるというわけではなく「除外項目」が付けられるという話がある。
親告罪でなくなるかどうかは、今後のTPP規約がどう作られていくか次第なのだから、作家や出版社が国会議員に働きかけることも必要ではないのだろうか。




二次創作認める「同人マーク」デザイン募集、赤松健さんの作品に掲載へ -INTERNET Watch
< http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130719_608237.html >