性犯罪者GPS義務化と少年法改正は、なぜ進まないのか?

先にGPSについて述べる。
「バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳」というブログに書かれている内容を取り上げると、
問題と課題は「整合性」と「法律(体系)」と「加害者の人権」にあると言えそうだ。

仮にGPS端末を付けて出所したとしよう。その性犯罪者を再犯することを防げるのだろうか。
答えは「NO」と言いきれる。
GPS端末は前科者を村八分して本人を精神的に追い詰めてしまって、逆に再犯に至らせることに
なってしまう可能性があるように思う。
結局、周辺住民や元被害者と家族の心理的なものを和らげるだけで、事件の再発防止とは
程遠いものになってしまうのではないか?という懸念がある。

それでも実施しようとしている自治体は、やはり住民父母たちの心配をやわらげたいという思いが
法律云々よりも優先しているのだろう。


少年法改正について。
フリージャーナリスト・青木理氏が「少年法の精神は、矯正すること。」で、死刑は適切でないと述べている。
青木氏は死刑制度そのものも反対している立場だ。また近年、少年法の厳罰化されていることについて、厳罰化する理由は少年犯罪の増加と凶悪化を理由にあげているが「数字・アンケートのマジックでしかない」、
「矯正が目的なのに、厳罰化だけ進めては本末転倒だ」といった趣旨の話もされていた。

俺は少年法の厳罰化については賛成である。
確かに数字のマジックはあるだろうが、凶悪犯罪があることは事実であり、コンクリ殺人のように同事件の犯人が一部も反省せずノウノウと現在も生き長らえているというのは被害者側からすれば怒り心頭だろう。

少年法の改正を望むのは、殺人を犯してる者でも心底反省している人もいるという点を青木氏は寛容に見るべきだと言われているのだと思うが、その点も考慮して法律が複雑になるかもしれないが、事件の内容や本人の反省度合いによって柔軟な罰則規定を設ける少年法にすべきだと思う。

犯罪者を管理監督する行政・法務省側は苦労を強いられるかもしれないが、そもそも刑務所・少年院は矯正施設なのであって、罰則は人権を剥奪するための法律ではない。
しかし被害者、犯人が出所後の周辺住民への配慮は十分行なうべきであるとも考える。

これまでTV・雑誌・新聞では犯罪者・受刑者の人権については多く語られてきたが、被害者の人権について語られることが少なかったという印象がある。ブログ著者やえ氏の意見は理解する部分は少なくないが、法務省・行政やマスコミが、もっと被害者についてもっと取り上げてアナウンスすべきだったと思う。
GPS端末は被害者側の意見を重視し過ぎた結果のものだと思うが、合理性ではなく感情論に傾倒せざるを得ない時代になったとも言えなくもない。


上記のほか「終身刑」についても議論がある。
終身刑についてウィキペディア記事を読む限りだと、これまで15年で出所することが多いと聞いていたが、2003年ごろから20~30年以上の刑期へている受刑者が増えてきているようだ。
これもやはり政府・行政のアナウンス不足があり、終身刑が注目されてしまう要因になってしまっていると思う。

更に「成人年齢の改正」も話題の1つだ。
20歳から18歳に変更するという話は現内閣においても話されていることで、このブログでも何度か触れた。


色でいえばツートンカラーなのが今の法律と罰則だというのが問題を肥大化させている要因だと考える。
100も1000もあるような罰則段階を作れとは言わないが、今の2~3倍以上のグラデーションにすべきだと思う。でなければ、更生するはずの人までも極刑を科してしまうのは冤罪なみに酷いことになってしまう。


俺のような法律に精通してないものが短時間でアレコレいって解決が見込めるわけではないが、
本当に悪いやつは死ぬまで入獄させるが、改心ある者は社会復帰させられる世の中であってほしいと
俺は思う。




GPS義務 知事「国の課題」 : 宮城 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
< http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20130518-OYT8T01221.htm >

バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳
< http://www.amaochi.com/news_gps.html >

終身刑 - Wikipedia
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%82%E8%BA%AB%E5%88%91 >