じゃあなんで売らないんだ。

って応酬したいけどねw

(以下、引用)
作家・東野圭吾氏は、「スキャンの問題は電子書籍とは別の問題だと思う」としたうえで、「『電子書籍を出さないからスキャンするんだ』という意見にはこう言う。『売ってないから盗むんだ』、こんな言い分は通らない」
と語り、憤りをあらわにした。
(//引用おわり)

初耳の言い返しだ。でもその言葉はもっと早くに言うべきだったと俺は思う。今言うは若干遅い気がする。

それと若干無理がある気もする。自分が購入した本を私用目的で複製することは法の範囲内。それを代行業者が所有者の許可を得て複製しているに過ぎない。用途は明確で、私的範囲、法範囲。

東野氏らが「売ってないから盗むという理屈は通らない」と言うのであれば、
・なぜ電子化しないのか?
・どうして電子化を拒むのか?
・手間を他人に委任するのが何故悪いのか?
などの疑問・質問に対して答えるべきだと思う。


以前ここのブログで「店でレンタルしている本を客が借りて、それを店が自炊代行するのはNG」と言ったことはある。それは自炊する本の所有者は「店」であって「借り手」ではないからだ。

しかし今回の告訴は、本の所有者は「店ではない」。
古本が許されるのは所有権を放棄した上で所有権を移譲するという理解があった上でだと思うが、もし1つの店が同じ本(古本)を大量に扱ったとしたらその古本屋はNGなのか?

ブックオフはよく叩かれているし、小林よしのり氏は極めて批判的だ。ブックオフは大量に同一書籍を売買しているが、それでも違法や店舗閉鎖に至っていない。

量が問題なのなら、じゃあ何冊までの扱いならOK?という質問に答えるべきだと思う。しかしこういう質問て水掛け論にしかならず、結局は和解(手打ち)になってしまう。
量は問題ではなく「行為」を問題にすべきで、そこをどう東野氏らが反論するのかが興味を持つ。


この訴訟は最高裁まで進んで欲しいが、被告2社は零細企業なのでよくて高裁までしか進まない気がする。
2社(たぶん代行業者トップなのだろう)を潰せたとしても、98社は残る。残る98社に対し「判決でてるぞ。止めろや!」と脅しても少なくとも20社は残るだろう。

今回の提訴、出版社は名を連ねていない。本来であれば出版社も一緒に訴えるべきなのにそれがない。
つまり裁判をしても完勝できる見込みが少ないと思っているのでは?と感じる。それに訴える先が上場企業ならともかく、規模は大きいかもしれないが街角の古本屋に限りなく近い会社。よくて数百万、数千万の賠償金を払わせる程度しかできないと思う。

これって誰得?っていうレベルになってしまうんじゃないかと危惧する。
確かに裁判所の判決、判断を得ることはできる。が、出版社じゃなく作家が提訴しているので、仮に原告側の意見が通ったとしても出版業界の対応が明確になる事は無いように思う。つまり電子化に消極的であることに対する見解・意見・活動について発言・約束がもらえないということだ。

確かに一部の書籍は電子化されて販売もされているが、これだけの潮流にあって出版業界は電子化に対して極めて消極的だとしか感じられない。



とここまで話しておいてなんだが、
日本がTPPに正式加盟したら?っていうことを考えると、更にぞっとするんだけどねw




[参考元]
作家・東野圭吾ら″自炊″を代行するスキャン業者を提訴(ニコニコニュース) - livedoor ニュース
< http://news.livedoor.com/article/detail/6134083/ >