一理ある。でもそれだけじゃない。


ネットコンテンツはクラウド化をして、所有権じゃなく利用権の販売に努めた方が良いのでは?と言う提言だが、それは一理あると思う。

ただMMORPG(ネットゲーム)ではその利用権を暴利の金額でオークション販売する輩もいる。
またハックされた場合の対処策なども考えておく必要があると思う。
クラウド化と聞くと先進性のあるものと言う響きがあるが、クラウド=ネットなのでネットが繋がらない場所では使えない。
それにただでさえ動画コンテンツの普及でIXの負荷が高いのに、全ての音楽コンテンツをクラウド化するとIXが火達磨になってしまいかねない(大袈裟に表現したが、切迫しているのは事実)

で。俺が「それだけじゃない」と言っているのは日本のJASRACなど著作権団体らの考え方だ。
もともと権利にはうるさい欧米が今は開放的だ。その反対を行くのが日本だ。片っ端から制限をかけていこうという流れになっている。確かに制限をかければ一時的に違法者は少なくなるだろうが、地下に潜ってしまったり解除システムを頒布させる要因になってしまう。これじゃ元の木阿弥だ。


それにしてもダウンロード型の楽曲は、高い。
マキシシングル(3~4曲)が1,000円程度で売られていることを考えると、パッケージがないダウンロード型はもっと安くすべきだ。社会人なら余裕だろうが、小中高校生では毎月何曲も買えない。
iPodなどソリッドプレイヤー普及で今時CDやMDプレイヤーで聞いている人は数少なくなってきた。小売店の反発はあるだろうが、パッケージ版のないネット限定の販売方式が主流になってきても不思議ではない。なぜなら運送コスト(人件費)が一切かからなくなるのだから。


結局、JASRAC等の権利者団体がどう考えているかによる。
クラウド化を模索しているかもしれないし、もっと強固なコピー防止をかけようとしているのかもしれない。
1つ良い例として、先日ニコニコ動画とavexが年間利用料を支払うことでavex楽曲全てを自由に利用できるといった契約を締結させている。稼いでいるavexだからこそ出来る荒業なのかもしれないが、他の音楽企業への影響は少なくない。

今やボカロ(ボーカロイド楽曲)が無償で頒布されている。もちろん素人が作っているものが殆どだが、限りなくプロに近い人が作っているものも多い。特異な例では木村カエラがボカロ製作者に楽曲提供したと言うケースもある。
ボカロと言えばどうしても初音ミク=アニメ=オタクというイメージがついて万人受けが難しいように感じるが、その垣根や障壁がなくなれば、ゼロにならなくとも音楽CD離れが一気に加速しかねない。これじゃCD屋は商売できなくなる。


音楽業界が危機感を持つべき本当のところは違法コピー品ではなく「若者の音楽離れ」なのではないか?と考える。



なぜデジタルコンテンツが売れないか?DRMがダメか - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記
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