行き過ぎた効率化の先にあるもの

自分の身近な人でも、バカの一つ覚えで
「もっと安いのないの?」
と言ってくる人がいる。それは何を意味するかと言えば、彼にとって「ゼロ円」を意味する。
この人は利己主義の極みだとしか思えない。

今の経済は、このような行き過ぎた効率化しか求めない。これが末端の人たちに影響が出ている。
確かにトヨタ式生産管理は素晴らしいと思う。徹底した管理体制。在庫ゼロ化。経営効率に置いて不可欠なことだと思う。
でもそれによって多くの人が職をなくし、中流層だった人がどんどん下流層に引き戻されていく。
今の日本を作ったのは、貧しかった下流層の人の多くが中流層になり、お金を使い様々な便利を得ようとしたからではないだろうか。だから長期間において高いGDPを得られてきた。

トヨタ方式は利益をもたらすが、それは経費削減でしかなくイノベーションを増やす行為ではない。
私たちが求めるのはイノベーションが増えることだ。

金は天下の回りものという。職が増え、お金が回ってくれば使おうとする。それが今は無くなっている。
企業は利益を出しても雇用には使おうとはしない。M&Aなど投資に回すことは悪いことではないが、それは一時的な対策でしかない事を彼らは知ろうとしない。

過去ではお金が全体に巡っていた。しかし今は上層階級だけしか回らなくなった。中流層以下は冷え、末端は凍えて壊死する。
「だって仕方ないだろう。我々だって生き残らなければならないのだから」
そう企業や富裕層の人たちは言うのだろう。でも本当にそれでいいのだろうか?

目先の事しか考えない彼ら。それがストレスの要因になりはしないかと、心配でもある。