牛丼並の値段ではない。

うーん・・・当事者でもある今敏氏だが、結局何が言いたかったんだろう?と思った。

「やっと陽が昇り始めた」とでも言いたかったのか。それにしては主張とか意見とかあって
もよかったのではないか?と思う。


アニメーターと言われるアニメ製作の労働者たちが劣悪環境に晒されていることは、この
ブログでも何度も話してきた。多くのアニメーターを輩出してきた代々木アニメーター学院
が倒産に追い込まれ現在は再建中であるなど、アニメーター育成現場も窮地に追いやられて
いる。


各県が出している最低時給は現在700円前後。牛丼並1杯の値段にも及ばない時給が算出
されたとあるが、なぜ時給300円弱のまま推移してきたのかという問題については今氏のブログ
では書かれていない。(見てきた方は是非教えてほしいものだ)

はてブのコメ欄でも色々意見出てたが、これじゃ衰退一途で伸びる気がしない。
若い時は買ってでも苦労しろとは言うが、この劣悪さはそういうレベルの話ではない。



アニメーターの時給を2倍、2.5倍にすれば、アニメ製作単価も上がる。それを買うコンテンツ
ディストリビューター側(TV局など)が買うかが問題だろう。

現在30分アニメ番組(実質は23~25分)1作品が約1000万円。これを2000万円
にしても売れるか?と言えば「NO」という答えが出てくるのは自然だろう。
1500万円でも良いと言っても、それならバラエティー作った方が安いと返事されてしまう
可能性がある。
だからといって政府が放送局らにアニメを週3本は放送しろ!と法律化したら、もっと劣悪に
なるだろう。談合する可能性も出てくる。

描くスピードが遅い人は給料も薄くて当然という人もいるが、それならなんで問題として取り
上げられるのか?が疑問だ。(それとも遅筆な人がそんなに多いのか?w)
やはり全体的に問題が多いから言われていることなんだと思う。


正直な感想、末期症状がゆえに「対策の術はなし」としか言いようがない。
買い手(放送局、映画配給会社など)は、これまでの価格でもう慣れてしまっている。
30分1000万円が慣例ならそれ以上は「払わないし要らない」という答えしか出さないはずだ。

時給298円を310円くらいまで上げることは出来るかもしれないが、600円、700円まで上げる事
は無理だと思う。

今もそうなってきていると思うが、動画部分はPCで自動製作できる環境をつくってゆき、
1作品あたりに要する人材数を減らし、減らした人材の人件費を労働者に還元する形に持って
いくしかないと思う。

世界配給をしていっても、やっぱり品質的にジャパニメーションでしかなく、ピクサーと比べ
られたら太刀打ちできないのは火を見るよりも明らか。


TV版より儲かると言われるOVAも、話題に上がらなければ収益など上がるわけもなく、
ウェブ配信してもコピーされるからすぐ頭打ちになる。


これまで手をかけてこなかったツケがアニメ業界全体に圧し掛かっている。




時給298円
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