唯一、心ときめかせてくれた恋愛漫画。

電影少女」と「DNA2」(桂正和・作)

作品自体は10年以上も前、読み古された作品で、TVアニメやOVAにもなっている。
この年でときめいた。なんて柄にも無く、恥ずかしい極み。
だが桂正和氏の恋愛モノは読むべきだと言いたい。

純愛モノが最近また増えてきているようだが、純愛モノではあるが恋愛ってなんだ?
という問いかけをしてくれる作品だ。


現実の恋愛は、容姿・スタイルが重要視されることが多い。
描かれる人物は「恋愛に無縁」と言っている割にはカッコよかったり、可愛かったりするw
ストーリー展開は非常にオーソドックスで、ベタな展開が中心な作品ではある。
だが作品自体は、気持ち(心)の伝え方、恋愛感に対するアンチテーゼなど。根本的な
部分にメスを入れてくれる内容。

電影少女のOVA版は、挿入歌が凄く綺麗で心地よいので、是非聞いてほしい。
OVA版は「あい編」のみなので、できれば原作の「恋編(14話完結)」もを合わせて
読んでほしい。恋編は、あい編をさらに硬派に恋愛を追及している作品。短編だが非常に
よい内容だと思う。

-追記-
 いやあ今日は追記が凄いw 一気にOVA1~6話まで見直してしまったw
 きまぐれオレンジロードも好きな純愛マンガだが、ライト感覚の作品と印象を持つ。
 それに対して電影少女は、恋愛について考えさせてくれる作品だから俺個人は高い
 評価をしている。

 恋編が無いのが残念だが、あいちゃん人間になれて本当によかったパチパチw
 俺的に6話は本当にイイ。よく30分でまとめられたなと感激する。
 恋編(原作)にもヨウタが登場するが、あいちゃんは顔も出さない。俺は見た
 かったのだがw、作者はあえて表に出さなかったのだろう。
 恋編はあい編から更に心にグサリとくる内容で、非常に考えさせられる内容。
 少年漫画なのでストーリー展開等で物足りなさは否めないが、様々な規定があ
 る中で桂氏は相当苦悶して作ったのだろうと察することができる。
 GWは今日までだが、お時間あるなら読んでほしい作品で、男性も女性にもオススメ
 したい。
 「DNA2」は恋愛コメディだが、見てて退屈しない楽しい作品だ。

 今はZETMANを連載中の桂氏だが、I's頃から高いリアリティーを求めてきている。
 その為かセックスシーンは外せないという理由からかジャンプからヤングジャンプ
 に本拠地を移している。ZETMANには多数のセックス描写が多いものの、いわゆる
 成人誌マンガのような行為中の"動き"は控えめに描かれている。
 俺の中では暴力・性描写の最終形態?的な作品としては北野武監督作「その男、
 凶暴につき」と「ソナチネ」だと思っている。それ以外の作品は、多少見方を変
 えて描いているだけのものという俺なりの見解。
 リアリティーを追及するなら劇画になると思うが、それを敢えて少年漫画風を保ち
 つつ、また性描写がアダルト過ぎないよう、うまくサジ加減できているのが桂氏の
 作品なんじゃないかと思う。
 


最近の純愛ドラマ?は、なぜかしらないが死と隣り合わせの恋人という設定が多い。
現実そういう人は少なくないのかもしれないが、ちょっと死というものを雑に扱いすぎ
な気がする。
不潔より清潔な人を選ぶのは当然だが、一人の男性に、一人の女性にどこまで一生
懸命になれるか。どこまで自分をアピールしきれるかといった点。人として相手に
対する思いやり、気遣いについても、もっと表現する作品が出てほしい気がする。


余談だが、ネットやゲームを通じて恋愛関係になる人が増えていると聞く。
電影少女をみると、現状に近いものを感じる。2次元と言われる少女たちに熱中するな
と言わないが、ブサイクだからブスだからと卑下したりせず、もっと現実の異性と付き
合い方を学び、経験してほしいと、俺は思う。


電影少女(1989年~1992年)
・D・N・A2 - 何処かで失くしたあいつのアイツ(1993年~1994年)