市民情報と秘匿性とお金

根底にあるのは地方財政の困窮。
そこをどうやって解決していこうかというのが、ツタヤ会員制度の流用だと思う。

図書館というのは基本的に市民へのインセンティブ、福利厚生だから基本無料になっている。
図書館が無くなったからと言って市民生活で困ることは少ないと思うが、町としての意義が
薄れてしまうのは確かだろう。


本当はここで話されるべきことがある。「国民総背番号制」だ。

TSUTAYAに市民情報を預けるということは、国民総背番号制に対する投げかけでもある。
TSUTAYAのカードをもっているなら、そこにTSUTAYAの番号が書かれている。
いままで国民総背番号制反対派は「プライバシー侵害に当たる」として猛反対しているが、
国民と佐賀県武雄市の違いはあるが、市民も国民である。武雄市議はどう考えているのか
がとても気になる。


技術的なところではビッグデータを扱うのと同様、机上では問題ない。
[市民データ:鈴木]←→[市民番号:001]←→
[基盤DB(名寄せ)]←→[国民番号:2828]←→[国民データ:鈴木]
として市町村カードと国民カードを分けておけばよい。またDB構成を3重にしておけば、市民番号が漏れたとしても国民番号がすぐに漏れることはない。
役所では市民や国民番号しか扱えることが出来ないとすれば、漏洩は若干だが防げる。
カードは生体認証タイプにすれば、カードを無くしたとしてもすぐに漏洩することは無くなるはずだ。

ここで問題になっているのは「予算」。
いま国会に出されている案だと開発費5000億円、運用費も同額で1兆円に上るとされている。
詳細なシステムが分からないのでなんともいえないが、ただでさえ豆腐なみの防御力しかない
政府・官庁のHPサーバーなのに、背番号制システム入れて漏洩しないの?クラックされないの?
という心配は、どちらかといえば賛成派である俺でも抱くことだ。

武雄市は人口5万人前後なのでTSUTAYAは受け入れることを決めたと思うが、これが約900万人
の東京23区だったらどう言っただろうか。Tカードの会員数3700万、提携企業94社だから
かまへん、かまへん・・・って言っただろうか。東京都区民は いいよ、いいよと言っただろうか。

言葉は悪いが、国から特別制定区に指定されてもいないのに先んじて国民背番号制に匹敵する
ようなことを行うのは、どうか?と疑問が出てくる。
しかし何に関しても年単位、5年単位でしか答えがでてこない国の返事を待っていては、市や町が
その間に廃れてしまう。これは望まれることではない。

こういう話は国レベルですぐに解決するものではない。レスポンスが悪いのが国・政府だと言ったが
3年、5年単位で時間がかかるのは避けようが無い。

国はfacebook特区・武雄市として速やかに認定し、IT分野に関して先行させる特別権限を付与し
ノウハウを吸い上げる元としたほうがいい。

これだけ時代の流れが速くなった今、実験できる市町村を多く募り、5年10年という期限を与えた上で
特別権限区を設けるべきだと思う。
国が5年かかるものを1市町村なら半分くらいの年月で成果が出るはず。出た結果を参考にすれば


国はもっと地方自治体を有効活用すべきだ。
年数に制限をつけ、人気のある特例区であれば持ち回りにすれば不公平感はなくなる。
でもそういう脳味噌をもっている議員、職員がいないのが一番のボトルネックなんだけどねw


[参考元]
「図書館で本を借りたらTポイント」TSUTAYAが公立図書館運営へ――Facebook市長「本の貸出履歴は個人情報ではない」 - ガジェット通信
< http://getnews.jp/archives/204806 >

[参考元]
国民番号制(マイナンバー)導入まで3年、交錯する期待と不安(1) | 社会・政治 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン
< http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/6ffa1548d5399debb34f63922783b9ee/ >