WindowsXPを温存する企業を狙うGoogle.

canvasタグを筆頭にHTML5の優位性はあちこちで囁かれているし、多くのブログでHTML5採用の強力なウィジェットを試作して出されており、その評価は高い。それどころか今までは何かとプラグインが必要だった動的表示が煩わしい追加インストール要らずになる点は、諸手を上げて大絶賛に値する。しかし・・・

WindowsXPは、HTML5対応のInternetExplorer9は提供されない。

マイクロソフトは以前から語っている。しかし他社ブラウザ(Firefox,Chromeなど)ではHTML5対応のブラウザを既にWindowsXP向けにも提供をしている。当然、無料のソフトだ。


今現在でも世界中のWindowsマシンのうち約5割弱がWindowsXPだ。
いまだにWindows2000を使い、InternetExplorer5や6を使って推奨ブラウザとしている企業もある中で、HTML5のためにWindows2000やXPユーザーがWindowsVISTAやWindows7にしようとする企業がどれほどいるだろうか?
正直、多くの企業のIT情報管理部の方でもHTML5を導入するか、今悩んでいると思う。それはHTML5を入れるメリットがソリューションと言う形で理解できないないことと、HTML5技術者がまだ少ないのと十分に育ってない事があるからだと思う。

いまHTML5が使われている分野は、どちらかと言えばエンターテイメント分野だ。幾何学的な動画を出したり、ゲームだったり。ビジネスに結び付くようなものが殆ど無い。
ブラウザはフロントエンドであり、ブラウザこそがビジネス・デスクトップであるという位置づけを出せない限りは、従来のモーダルダイアログ式操作画面が良いとされるのではないだろうか。
(誤解されるもう1つの理由に、ブラウザは社外と繋がるものというイメージも強いからだと思うが)
FLASH、コーデック要らず(限定条件はあるが)など利点は多いのだが、新しいものに切り替えるにはコストと見合っていることが不可避だ。


Googleが狙う場面があるとすれば、WindowsXPからリプレイスをしようとしない企業に対してHTML5も実行できる環境を提供すること。ではないだろうか。




Google、企業向けChrome普及に本腰―Windowsインストーラー版をリリース
<http://jp.techcrunch.com/archives/20101215google-chrome-for-business/>