情報戦

結局、情報戦だ。
WikiLeaksはまんべんなく報道していても、それを全て見ている人が世界中で何人いるのか。私たちは電源ボタンを押すだけですぐに見られるTVの方をパソコンより便利だと判断し、多くをTVから情報を得ている。
しかしそのTVは、視聴率という商売指標を最重要視して動いているため、TV局はより売れる商品にするために得た情報、データを加工する。この加工を、どのように、という点に視聴者(国民)の一部から疑問や批判がある。


GIGAZINEで「無関心への戦いでもあるのでは」としているが、センセーショナルな記事を上げることで関心を呼び覚ますと言う行為は、あまり評価できるものではない。それはセンセーショナルな記事の対象にされた個人、団体などがあるからだ。
精確に言えば、明白に彼らが加害者、犯罪者であるという証拠があれば正当化もできようが、それでも容疑者であって犯罪者ではない。犯罪者は裁判を通じてでなければ白黒つけることはできず、それを一企業が独善的にやってはならないし、そんな権限などない。


俺は以前このブログで「WikiLeaksがやったことは称賛に等しいが、行っていることは犯罪」と評した。
いままでは単発的にショッキングな情報だが隠されようとしてた事実を報道するに留まっていたと思う。しかし今回は25万件強という莫大な数。1枚の伝聞が原稿用紙1枚だとしても、25万ページ=約715巻の単行本小説に匹敵する量だ。1日3冊読んだとして7か月はかかる。
トップシークレット級の内容はないとしても、情報が米国の悪徳議員たちを失職させるに十分な情報だとしても、それによって被害を被る人がいないという保証はない。つまり、膨大な資料を1つ1つ精査するには比例して莫大な時間を要する。本当にそれがWikiLeaksにできるだろうか。疑問は残る。

アメリカが過去の戦争で示したもの。それは高度な武器や原爆でもなく、情報戦であったことは周知のことだ。
日本の奇襲行為としていまだに真珠湾攻撃が取り上げられるが、一部の報道ではルーズベルト大統領は日本が真珠湾攻撃することは事前に知っており日本が明確な連絡を出さなかったことを利用して米国民に反日奮起を植え付けたと言う話もある。
これが事実、真実なら、まさにそれは情報戦といわれる十分な話ではないだろうか。

いまの中華がそうだ。ワンマン政治が出来るという強みを活かして、反日活動や対フィリピンやベトナム国境の島を自国領土であることが正当であると国民に訴えるのも、情報戦の1つ。
先のノーベル賞授賞式においては、中華はロシアは当然だが、ほか15ヵ国の関係諸国に民主主義国の踏み絵を踏ませてアピールをしている。これも情報戦だ。 既成事実をつくれば、あとはどうにでもできる。


これら重要な情報の多くは国家政府が握っており、その情報の取扱い如何はその時の政治家に委ねられている。
民主主義なのに。いや、もちろん国民から立候補し、国民が選挙をして決めた議員だ。民意が反映された人ではある。しかし重要な情報をその議員たちだけの判断に委ねていいのか。私たちにも知る権利は有る。
だがその情報が不用意に流出することも、国民の本意だろうか?と訊けば、NOという返事になるだろう。

アメリカ(政府)は、悪い国。  そうだ、俺もそう思う。
しかしだからといって、国家情報は国民の情報でもある。閲覧する権利は有るが、流出させることは本意ではなく情報流出は事件だ。それを故意に流出、故意に収得しているのであれば、反逆行為に当たるのではないだろうか。


俺個人は今回のWikiLeaksの行為には冷ややかだ。それは上記の理由があるからだ。

管理などの面で言えば中央集権は良いと考えるが、権力を持つ機関は複数あった方が良いとも考える。
それは権力が1つだと政治はワンマンで、結果本来の民主主義の形にならない事が多くなるからだ。


まとまりなく書いてきたが、今回の件についてはやや批判的な見方をしているが、
WikiLeaksは「必要悪」であることも同時に感じている。


Wikileaksはなぜ世界中の国家を敵に回そうとしているのか? - GIGAZINE
<http://gigazine.net/news/20101210_wikileaks/>