サブカル大企業となり世界を目指す

川上氏は以前から「世界を目指す」と公言していた。
だけど自分だけでは力不足であることは感じていたから、後ろ盾してくれる人が欲しかった。その結果が角川との経営統合(合併)だったのだろう。

現KADOKAWAは、数年前にエンターブレインメディアワークスらを吸収合併したばかり。
ドワンゴは少なくとも2年前にはKADOKAWAとの合併を模索していたようだが、エンターブレインメディアワークスらとの合併を控えていた同社に対して事を荒立てないようにと待っていたと言っている。がそうだろうか。
もし同時期にドワンゴが角川に言ってたら今年10月に発足する企業名は「KADOKAWA」になっていた可能性がある。なぜならエンターブレインメディアワークス側の多くの突っ込みに晒され、短時間で解決できないからだ。
川上氏はこれらの合併が事なきを得て、首脳陣が確定してから声をかけたのだろう。だから新会社にドワンゴの名前も併記してもらえた。対等と言っているがドワンゴ側が若干有利な立場での新会社、合併だと言える。

川上氏はニコニコ動画の立上げ直後から考えていたのだろう。
ジブリへの丁稚奉公、超会議、結婚、そしてKADOKAWAとの対等合併。すべて計画していたのだと思う。

これだけ大きくなれば、おいそれと彼らに戦いを挑める企業はほぼない。
盤石になった。これで欧米への殴りこみ準備はできあがったのではないだろうか。


華々しい舞台がある半面、不安や危険性を感じる。
つまりドワンゴ、ニコ動のネットコンテンツの独裁だ。
野球の巨人軍が9年連続で君臨していたのはレジェンドだが、それはアンチ巨人を生むことにもなったし野球の面白さを半減させたと思う。ニコ動がスタンダードになることに対しては異論はないが、やはりライバルがないとお互い切磋琢磨せず、今のTV業界のように左も右も同じものになってしまう。

もう1つは最近のドワンゴ、川上氏、夏野氏の発言だ。
つい先日にこさうんど運営者が逮捕されたことに対しドワンゴ側が「事件が違法配信に対する大きな警鐘となり」と語ったことに対して「お前が言うな」とブーイングが飛び交った。
夏野氏は駅にSUICA取り扱いしてない店舗があったことをツイートするなど、定期的にTwitter上を賑わせている。

もちろん川上氏、夏野氏ともに100%の支持なんて得られるはずもないことは知っている。知っているからと言って傍若無人に発言するのは許されない。
今回の合併で夏野氏はどのポジションになるのかは知らないが、KADOKAWAの看板も背負うことになるのだから当分はトーンダウン、控えた発言になるだろうとは思うが。

ジャイアンのようにのさばってしまうと、ある特定の人物だけの意で動いてしまう。そういうのは歓迎しない。
また会長、社長はよくやっていても、その下にいる部長クラスが不祥事を起こすようになることがある。


合併劇に対して俺個人の感想は、歓迎ではない。むしろ不安。
それは上述したように、本当にネットコンテンツ世界が健全になっていくのだろうか。ということ。
栄華を得ても、600時間就業を当然のことのように思う経営者がのさばる世界は悪いとしか思えない。

いまの川上氏に胡坐をかいている様子は見えないものの、人間この先どうなるかなんてわからない。
勝って兜の緒を締めよの言葉のように、いつまで凛として立ち振舞えるかだろう。


ドワンゴ川上氏に惚れ込む角川会長--“天才”に新会社託す - CNET Japan
< http://japan.cnet.com/news/business/35047903/ >