どうするかは本人の勝手。だが・・・

 
俺のように単純に考えた発言ではないと思うが・・・
1.ミドルヒットで満足してはならない。というハングリーさと、そういうマーケットか?という2視点。
まず1つ目。
50~60万本セールスで満足するなかれ!と、稲船氏は今のクリエーターたちに言いたいのだろう。
それは精神論、哲学を語る上では欠かせないと俺は思う。
だがセールスは実体のある数字で表れるものだが、1つの指標でしかない。
2つ目。
TVではよく言われるが、ユーザーが分散化していっていることを上げるべきだ。
セールス数を上げるのはいいが、じゃあ50万、60万本が売れた、その意味をどう捉えるか?と、
今はゲームだけじゃないし、ゲームと言ってもMMOなどのネットゲームもある。今なら3D
映画もあるし、Wiiのような体感型もある。つまりメガヒットし辛い環境だということに対する
認識度、意識度についてもっと稲船氏は語るべきだと思う。
例えばWiiXBOX360ユーザーでは、一人当たりの購入数やプレイ時間数に違いがあると言われるが、
メガセールスすれば良しとするなら、プレイ時間数などの中身つまりタイトルに対するユーザーの
評価度についてはどうでもいいって話になる。(単純な話ではないが)
違う視点でいえば、メガヒットだけが良いもの評価されるものとするなら、パブリッシャーはマリオ
ポケモンしかリリースできないことになる。そんな事態、良い筈がない。

2.一人で頑張ろう。健気さは、今のワールドでは戦えない。
当然語るところではないが、ワンマンプレーが通じる世界ではない。
世界を変えようと思えば、同士を多く集め意識を共通化させなければ、ラスボスには勝てない。
たぶん稲船氏が語りたいことに、魅力ある仕事になってないんじゃないか?という疑念と危機感が
あるのだろうと思う。
しかし企業は、今の資本主義、自由経済主義の方向性の中にいるわけで、それは不可避だ。
だからメーカーは多くのものを製作し、流通し、売るしかないからだ。たとえその作品が過去に残る
最高の作品であっても、売れなければゴミ以下の評価しか出ない。
そんな世の中で、これは魅力的だよ!と声を上げたところで、見向きもされないと思う。

3.世界を相手にできる人は、既に日本にはいない。
ここ最近の日本人でノーベル賞を受賞した方を見てもわかるように、できる人、世界視野の人は、
日本には住んでない。
政府、行政から受ける圧力、壁があるから。だけではない。越えられないものは政府レベルに留まらず
企業、個人から受けるものも多くある。それを1つ1つ越えていくのも手だが、その障壁がないのが
アメリカなど海外にあると言ったら?世界視野の人は、きっと日本国外に旅立つのは当然だと思う。
 
稲船氏の語っていることは正論だと思う。
しかしそれはゲーム業界に限らず、全ての業界がぶち当たっていることだと思う。それを一人でどうこう
は限りなく無理だし、本当にそれをやろうとするなら政治力をもって行政や企業とぶち当たっていくしか
ないと俺は思う。つまり、稲船氏が立候補して国会議員になるしかないのでは?と俺は思う。
(もちろん他のアプローチもあると思うが)
正論を語れば道が開かれるほど、今の世の中は綺麗ではない。
 
 

稲船敬二氏は,何を思い,何を考え,何を目指してカプコンを辞めていくのか。渦中の氏に直撃インタビュー
http://www.4gamer.net/games/084/G008467/20101029004/