答えのない世界。それは結果論でしか語られない

castel.jp

「消費者理解」とは何なのか。私は、「本能が支配する消費者の選択の構造を解き明かすこと」と考えています。要するに、人間の本能を理解することなんですね。

私の「消費者理解」のキーワードは、「凡人」と「狂人」です。消費者を理解するには「凡人」と「狂人」の両方をそれぞれ深く理解することだと思います。
 「凡人」とはカテゴリーを代表する人、つまり一般的な人ということです。たとえばアウトドアなら、「数カ月に1回、家族を連れてキャンプに行く」ような人が当てはまりますね。カテゴリーにおける平均値のユーザーがやることを、まずは徹底的に理解します。 
「狂人」とは、そのカテゴリーの中で、エキセントリックにそればかりやっている人。脳科学者の方とも何度かお話ししたことがあるのですが、「凡人」と「狂人」は、脳の構造自体は同じだと考えています。でも、欲求の強さが違う。欲求が強ければ強いほど、欲求を満たすためのあらゆるコストがその人の中で正当化されるので、“狂人行動”に出るというわけです。

https://agenda-note.com/conference/detail/id=3473&pno=2

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マーケティングが「価値を創造する仕事」とすると、「どうやって価値を創造していくのか」という疑問が当然生まれるでしょう。マーケターが「何を考え、どこを見ているのか」という部分です。  ここで重要になってくるのが次の3つの視点です。
(1) 市場構造を解き明かす
(2) 消費者が自社ブランドを選択する理由をつくる
(3)(1)と(2)を実行できる組織をつくる


https://diamond.jp/articles/-/156025?page=2

 

そうなんだろうけど、自分の考えが正しいとして、それをどうやって会社の財布の紐を握る上長や役員を納得させられるか、だよね。

ベンチがアホやから!
は有名な言葉だがほんとそれで、いくら懇切丁寧に語っても理解できない連中には暖簾に腕押しなんだよねw

じゃあなんでここに挙げた森岡さんはUSJやその他の案件で自分が言うことが通ったのか。それはやっぱり彼にブランドがあった。
彼のブランドとは大卒後に入社したP&Gでの功績があるってこと。ヴィダル・サスーンやウエラジャパンに加えP&G米国本社でも務めた経歴があるから。そういう裏打ちがあるから。

過去の実績が自分のブランドになる。

 

望んでその学部だったのかはわからんが大学では経営学部を専攻されていた。
市場を知り、消費者を理解し、ブランドを構築する。そんなの別に教科書見ればわかる話。サッカーで言えばボールを選手同士でパスして敵陣ゴールのネットを揺らせばいいってことは誰でも知っていることで、それを説明されてもって感じ。

本当に知りたいのはその行間。

 

単に市場調査だけならExcelとにらめっこするだけ。でもそれじゃただの雑用。

森岡氏は相手の耳を傾かせ、聞き入らせ、そして手懐ける力があったのだと思う。それが高度に集積したデータなのか、パワポなのか、1/fの声なのかは分からないけど。

でもそんな森岡氏の神通力はどこでも通用するかといえばそうじゃない気もする。何故かと言えば彼はサッカー選手だったとして、じゃあ相撲でも常勝選手になれるかといえば多分NOだと思うから。誰にもハマり役があって、森岡氏はマーケッターとして凄くハマったからではないのかと思う。もちろん優秀な方なので分野が変わっても卒なくこなす方だと思うけれど。

 

成功すれば官軍。負ければ賊軍の世界。
過去の成功や実績で裏打ちすることはできるかもしれないが、正直やってみなければ分からない世界だと思っている。優秀なマーケッターとは言え、消費者は雲のようなもの。

答えのない世界、そして結果で全てを語られる。凄く切ない仕事だなあと思う。