エヴァ完結。エヴァのないスタジオカラーはどうするのか

 

 

news.yahoo.co.jp

1995年にTV版が放映されてから、26年経つ。
TV版放映当時、アニメは1年制がまだ多かった時代だった中で26話は打ち切りに近い短い本数で終えている。(今なら2期続いた感じ)

それ以降、TV版での続編はなかったものの劇場版が続くことになる。

1995 新世紀エヴァンゲリオン
1997 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
1997 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
2007 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
2009 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
2012 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
2021 シン・エヴァンゲリオン劇場版

TV版を1本と捉えると合計7本になる。

 

庵野氏は大学時代に参画したDAICON3OPアニメから含めると合計31作品に監督、脚本など上流工程に携わっている。
アニメーターや原画などを含めると更に多い。

 

庵野氏はアニメに拘らず実写映画、PV、MVに加えプロデュースなども手掛けている。
しかしスタジオカラー設立後を見ても「エヴァンゲリオン」が大半。
今年61歳を迎えるが、先を逝く諸先輩方を見て考えたのか、単に節目と考えたのかは分からないが「シン」で節目とした。

でも。俺から見てこれだけエヴァンゲリオン依存してきた庵野氏、スタジオカラーが脱却できるかというと相当キツイと思っている。


2017年のシンゴジラはヒットしたが、シンウルトラマンは先日公開延期になった。不満足のまま出したくないという思いがあるからだろうが、それを配給会社やスポンサーが容易に同意するとは思えない。なぜなら追加予算にも限りがあるからだ。


更に言うとスタジオカラーを含め取締役以上を6社も受け持っている。
ハムスターでもそこまで回れないのにと思うのに自分で自分のクリエイター力を犠牲にしているようにすら見える。

 

この前に書いたが俺はトップをねらえ、ナディアで「俺は庵野作品についていけない」と思って以来、彼の作品を見ることは無くなった。俺の思いとは反対にエヴァンゲリオンが大ヒット。瞬く間に時の人となった。見ようかと思ったこともあったが手に取ることは今もない。

1998~2006年の約8年の間、エヴァから離れていた時期がある。実写やPVなどを撮っていた時期だがこの間に何があったのだろうか。
序、破、Qの3作品とシンは挑戦だったのだろうか、それとも自分のキャンバスを広げるためだったのだろうか。
当然俺は見てないのだからその答えを導き出すことは出来ないが、彼は自分が描くゴールに辿り着けたのだろうか。もやもやをもやもやのまま放置プレイをして楽しんでいるだけなのだろうか。

togetter.com「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」
という庵野氏の叫びに対して共感されている方がいる。

f:id:kaidnu2:20210329182409p:plain

https://twitter.com/0000taeko/status/1374178356598427654?s=20

iframeインポートできなかったのでキャプらせてもらったのを貼る(URLは上記)が、読解力を試す作品がどんど減っているという意味では俺も同意、共感する。
更にこの方は次のように続けている。


「シン・エヴァすごいな」と思ったのは、宮崎さんや高畑さんみたいに「言わなくても伝わる」(と思い込んで)視聴者に丸投げするスタイルを通すんじゃなく、時代に寄せてある程度しっかり言語化し、理解までの筋道を引いて、視聴者と対話しようとしたこと。

正直それがエヴァンゲリオン庵野氏として良かったのか、悪かったのか。
俺なら自分の作品について来れる人だけ付いてこい、来れない人は去れ。っていう派なので、周りがあーだこーだ言っても聞く耳持たないw
嫌だと言うなら今すぐ辞める。と言うだろうな。

作品は誰のために描いているのか。それは原作者が自分自身のために描いている。それが派生的にたまたま商売に結び付き、ファンが集まって小経済が回っているだけのこと。そんなニッチな世界だと思っている。

スターウォーズが1~6話まで原作者によって制作されたが7~9話で滅茶苦茶にされた。更に10話目以降も勝手に追加させられる。それは商売のためだけに。こんな凄惨な現実ってないよね。って俺は思っている。だから自分の作品を世に出すことがあったとしたら、揺り籠から墓場まで自分で面倒みる。仮にスターウォーズ7~9話のように意欲的にならない部分があるなら最初から描かないし許可を出すつもりはない。

東方のzun氏があるトークセッションで客から「二次創作を作るときに設定に困っている。もっと詳しい情報が欲しい」と尋ねられた際、「どういう風に作ってもらっても良い。だって二次創作なんだから」という風な発言をしたことがいまだに印象が強く残っている。

原作者が手掛けない以上、appleGoogleのような巨大企業がやろうが零細企業がやろうがそれはもう「二次創作」だから。原作者が面倒みれない以上はファンから猛反発を食らっても好き勝手にやればどうぞとしか言いようがない。

 

庵野氏はシン・ウルトラマンが直近になるがそれ以外にも何本かの案件、作品を携えていると思う。
会社をやっている以上、社員がいるわけだから請負、受託をやるならスタジオカラーであり続ける必要がなくなる。モチベーションになる作品を作りたい。そう思っていることと思う。

そういう中で本当にエヴァンゲリオンから抜けれるのかがとても心配。



・関係作品(監督、作監、脚本など)

1 1981 DAICON III OPENING ANIMATION 原画
2 1982 愛國戦隊大日本 メカニックデザイン
3 1983 帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令 監督
4 1983 DAICON IV OPENING ANIMATION 作画監督、原画
5 1983 風の谷のナウシカ 原画
6 1987 夢幻戦士ヴァリス 映像 監督・絵コンテ
7 1988 トップをねらえ 監督
8 1990 ふしぎの海のナディア 総監督、脚本
9 1995 新世紀エヴァンゲリオン 監督・原作
10 1997 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 総監督、脚本
11 1997 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 原作、総監督
12 1998 彼氏彼女の事情 監督、音響監督、脚本
13 1998 ラブ&ポップ 監督・原作
14 1999 GAMERA1999 総監督、撮影
15 1999 GAMERA1999+ 総監督、撮影
16 2000 式日 監督、脚本
17 2001 松たか子PVコイシイヒト 監督
18 2001 24人の加藤あい 監督
19 2002 流星課長 Grasshoppa! VOL.3 監督、脚本
20 2002 空想の機械達の中の破壊の発明 原作、監督、脚本
21 2004 キューティーハニー 監督、脚本
22 2004 Re:キューティーハニー 総監督、演出
23 2007 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 監督・脚本
24 2009 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 監督・脚本
25 2011 監督失格 プロデュース
26 2012 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 総監督、脚本
27 2013 風立ちぬ 出演
28 2014 日本アニメ(ーター)見本市 PV 監督、絵コンテ、作画
29 2016 シン・ゴジラ 総監督
30 2021 シン・エヴァンゲリオン劇場版 監督・脚本
31 2021 宇多田ヒカル『One Last Kiss』MV 監督

・起業、参画

1 1984 ガイナックス設立 参画
2 2006 スタジオカラー設立 代表
3 2015 でほぎゃらりー設立 取締役
4 2017 プロジェクトスタジオQ参画 統括
5 2017 アニメ特撮アーカイブ機構設立 代表
6 2018 バカー(βακα)設立 取締役
7 2018 合弁会社リド設立 参画